レザーカービング に初心者が挑戦~後編:羽を目指して鰹節になった~

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レザーカービング を習得したい

ココ

レザーカービング の代表的な柄である『 唐草模様 』を実践したわ。楽しいわね。

ユキ

他に、よく見かける バスケット柄 や 自由な図柄 もあしらえる様になりたいな。

エン

失敗は成功の母だぜ、ガンガンやろう。

こんにちは。みどりです。
今回は革に紋様を彫る『 レザーカービング 』への挑戦についての後編です。
この記事では『 スタンピング 』、『 フィギュアカービング 』、『オリジナル』への挑戦をまとめました。

レザーカービングを基礎から学びたかったので、教本を見ながら実践しています。ついでに染色も行っています。
この実践で学んだ反省点を記事にすることで、読んでくれた方の参考になれば幸いです。

内容が多いので、記事を二つに分けて前編・後編としています。
前編:基本の①『唐草模様』に初挑戦したときと、②同じ模様をレンガを下敷きとして再挑戦したときの記録です。

後編:③刻印を打刻する『 スタンピング 』と、④鳥の羽の写真を見ながら『 フィギュアカービング 』に挑戦、そして、⑤『オリジナルのミニバラ』を作成したときの記録です。ついでにカービングを施した5枚の小片を『拝み合わせ縫い技法』を用いて「ペン立て」に仕上げた様子も紹介します。

前編(レザーカービング での唐草模様に挑戦)の様子は以下の記事にまとめています。合わせてどうぞ。

ちなみに、参考にした教本は『男の革小物 レザーカービング 編』になります。
この本を選んだ理由は、レザーカービング の種類である唐草模様、シェリダン、スタンピング、そして、フィギュアカービングの方法が写真入りで解説しており手持ちの刻印を用いて真似できそうと思ったことと、染色の方法が4パターン紹介されていたことが参考になると思ったからです。

レザーカービング の反省

後編での反省

~ スタンピング ~
〇 バスケット刻印をする際は、革の中心から端までの1本の線を目印として引いておく
〇 バスケット刻印の周囲に別の刻印を打つと、バスケット刻印の存在感が薄まる。

~ フィギュアカービング ~
〇  山形をしたべベラB997の代わりに片面傾斜のべベラB197で代用することはできた。
〇  フィギャーF895をべベラB197で代用するのは厳しく、昆布になった。
〇  モデラの代わりにキューティクルプッシャーで代用したらいい感じだった。
〇  染色したら、凹凸がの下手さが強調されて羽毛ならぬ鰹節になった。

~ オリジナル ~
〇 バラの図案が小さすぎて、激ムズだった。
〇 染色の際に、同じ染料でも塗り方次第で異なる色合いに仕上がった。

革の下にレンガを敷く

いざ始める前に、下準備として革の下にレンガを敷きます。
レンガが在ると刻印を打った時に革に刻印跡がしっかりとつきます。

下の写真では、左の刻印跡がちゃぶ台の上に革を置いて打刻したときの模様で、右の刻印跡がちゃぶ台と革の間にレンガを敷いた状態で打刻したときの模様です。

「レンガを敷くだけでくっきり刻印跡が残っていいね。教本では大理石板を紹介されていたけど金銭的に手が出なかったから、試しにレンガで代用してみたら思っていた以上の効果があってよかったよ。」

レンガの効果
下敷きとしてのレンガの効果(左:レンガ無し、右:レンガ有り)

後編① スタンピング

まずは、レザーカービング の一種である刻印を打って模様をつける『スタンピング』に挑戦します。

使用した刻印はバスケットウィーブ(型番:Z-X511)(通称:バスケット刻印)で、サイズは6mm×10.5mmです。
まずは、刻印と同じサイズの格子模様を中央に施した図案を革の上にのせます。(革の裏にはあらかじめ、伸び止めシートの代用として、マスキングテープと養生テープを貼っておきます。)
そして、図案の中央に目打ちで目印をつけておきます。

「革にバランスよくバスケット模様が並んでほしいから、中央から模様を配置するよ。革の端から刻印を打って行って最後に刻印が革からはみ出しり、妙な余白ができたりっていう事態は避けたいからね。」

下絵の目印をつける
下絵の中央の目印を革につける

そうしたら、目印の位置にバスケット刻印を打ちます。
「緊張の第一打です。」

打刻する
中央に打刻する

続いて、打った刻印跡の右下位置に重なる様に同じ刻印の左上隅を乗せて、刻印を打ちます。

連続して打刻する
模様が連続するように続けて打刻する

斜め一列を打ち込み終わったら、同様な手順で刻印を重ねるように上段と下段を打っていきます。

「途中まで打ったけど、・・・うん。微妙にずれてきた(泣)」
教本を慌てて見返したら、中央の目印は一か所だけの点ではなく、端から端までの1本の線だった
「ちゃんと、教本を見ていなかったなぁ。コレどうしようかな。なんか挽回できないかなぁ。」

途中まで打刻したところ
バスケット刻印がズレてきた

とりあえず、最後までバスケット刻印を打ちます。

挽回策として、バスケット刻印のズレから視線をそらしてもらう目的で、バスケット刻印の周りに別の刻印を打って、バスケット刻印の存在感を和らげたいと思います。
「バスケット刻印の周りにベンナーやら、シーダーやらを打って、全体として可愛い感じにしたら、多少のズレは目立たなくなるのでは。」

装飾をスタンピング
バスケット刻印の周りを装飾

刻印を打ち終わったので、レザーコートとペースト染料(アンティックダイ)を塗って完成です。
「うん、バスケット刻印のずれが多少は目立たなくなったな・・・。周囲の装飾って偉大だなぁ。(まだまだ練習が必要だね。)」

染色
ペースト染料で染色

染色がおわったら、ペン立てに仕上げるために切り出しておきます。

後編② フィギュアカービング

次に、人物や動物などを革に描いていく『 フィギュアカービング 』に挑戦します。

今回は教本で紹介されている『鳥の羽』の描き方を真似していきます。
(鳥の羽の写真は教本の写真ではなく、手持ちの写真を用いました。)

まずは、羽の外周と中央の芯、そして羽毛のラインを大まかに革に転写していきます。

羽の模様を転写
羽の写真を転写

次に、アウトラインをカットします。
「教本では通常のスーベルカッターの刃ではなく、斜め刃のものを紹介していたけど、持っていないのでデザインナイフで代用しよう。」
「クラフト社のカタログを見ると交換できる斜め刃も売っていて、見てたら欲しくなっちゃうな。」

図案をカットする
デザインナイフで図案のアウトラインに切り込みを入れる

羽の外周をべベラ(型番:Z-B197)で凹ませて、羽を浮き立たせます。
「教本だと、山形をしたべベラB997を使用していたけど、持っていないので1方向に傾斜しているB197で代用できそうだな。」

図案の端をへこませる
羽の外周をへこませる

べベラB197でへこませた外周のさらに外側を同じべベラB197を打って、なだらかに凹むような感じにします。
「ここも教本ではフィギャーF995という刻印を使用しているけど、べベラB197で代用できそう。」

さらに周囲をなだらかにする
周囲をなだらかにへこませる

外周をへこませた終わった段階です。
「羽が浮き立って見えるよ。べベラB197だけ1本でもそれなりに羽っぽくなったな。」

途中経過

次に、中央の芯を浮き立たせるために、その端をべベラB197を打ってへこませます。
ここも教本のべベラB997の代用としてB197を使用しました。

中央の芯を浮き立たせる
羽の芯を浮き立たせる

今度は羽毛の線をべベラB197を外側、中央の順に打ち込んで表現します。
「教本ではフィギャーF895を使用してるけど、手持ちのB197で代用しよう。」
「・・・この代用はちょっと厳しい感じかもなぁ。」

羽毛を表現する

羽毛の線を表現し終わった段階です。
「・・・う~ん。羽というよりは昆布みたいだな、もしくは観葉植物の葉っぱか。なんか波打ってる感じ・・・。やっぱり、フィギャーF895じゃないと上手くいかないのかな。」

途中経過2(昆布になった?)

今度は、少しあいまいになった外周に背景として網掛け模様を施します。ペエアシェンダー(型番:Z-P217)を打って網掛け模様にします。
「ここも教本ではフィギャーF900だったけど、持っていないので手持ちの中から広範囲の網掛け模様にできるP217を用いたよ。」

周囲を網掛けにする

仕上げに、羽毛の線をさらに細かくするために、100円グッズのキューティクルプッシャーのスクレイパー部分で細かい線を引いていきます。
「教本ではモデラを使用しているけど、キューティクルプッシャーで代用してみたら意外といい感じに細かい線が引けたよ。」

羽の1本1本を表現する
羽の微細さを表現する

ここまでで刻印打ちは終了です。
「ふ~、なんとか羽っぽくなったかな。昆布状態からうまく挽回したな。」

刻印を打ち終わった段階(羽根っぽくなった)

最後に、クラフト染料(こげ茶色)で染色をした後に、レザーコートを塗って防染します。
「あれっ、染色し終わった状態は羽というより、なんか鰹節みたいだぞ。」
「・・・、なぜだ?(泣)」
「刻印のデコボコ加減が羽の滑らかさというより、鰹節の凹凸に近くて、染色することでその凹凸が強調されたからかなぁ。やっぱり適した刻印が必要なのかな。(腕前については棚上げ・・・)」

染色後(鰹節になった?)

この後にペン立てに仕上げるために革を切り出しておきます。

後編③ オリジナル(ミニバラ)

ここまで一通り教本に従って レザーカービング を実践してきました。そろそろ自分の表現したい図柄にチャレンジしたくなったので、バラの花にチャレンジします。

「バラの図案を描いてっと♪、一つじゃ寂しいから3つくらい配置してっと♪楽しみだなっと♪」

さぁ、いざカービングにチャレンジだ~
「・・・」
「小っちゃい!これを浮き立たせるのはものすごく細かい作業だぞ。というか、そんな細かい刻印をもってないよ。」

手持ちの刻印では対応できなさそうな小さい図案だったので、代用できそうなものを探しました。
「あった、これならいけそう。君の名は「マイナスドライバー」君。」

ということで、マイナスドライバーでミニバラの輪郭をへこませました。
「激ムズ~。でも頑張る。」
「細かさ地獄~。でも頑張る。」

ドライバーでアウトラインを打つ
ミニバラの輪郭をマイナスドライバーでへこませる

とりあえず、輪郭を打ちおわったので、その周囲をべベラ(型番:Z-B197)で凹ませてミニバラを浮き立たせます。

刻印を打つ
べベラで周囲をへこませる

クラフト染料(赤)で染色した後にレザーコートとアンティックダイで仕上げます。
「クラフト染料のつけ方だけで、3個のバラの色が別々のものになったな。染色も奥が深そう。」

染色の違い
染色後

この後にペン立てにしあげます。

番外編 ペン立てに仕上げる

これまでの レザーカービング の練習でできた厚さ4mmの5枚のパーツを『拝み合わせ縫い』という技法を用いてペン立てにします。

ペン立てに仕立てる

拝み合わせ縫いの方法は以下の記事にまとめています。興味のある方は合わせてどうぞ。

まずは、隣の面パーツと貼り合わせるために端を45度にカットします。

そのために、隣の面パーツの厚み分と同じ位置に目印の線を引きます。
このときに写真のようにステッチンググルーバーを用いると便利です。隣の面パーツの幅に合わせてからそのまま線を引けば、定規で厚みを測らなくて済みます。

隣面パーツの厚さ分の幅に線をひく

目印の線をガイドに、端を切り落とします。
これで45度にカットできます。

端を45度に切り落とす

45度にカットした面パーツ同士を接着剤で貼り合わせます。

貼り合わせる
面パーツ同士を貼り合わせる

曲げた画鋲で穴を大きくしながら、曲がり針を用いて辺同士を縫い合わせます。

レザーカービング 完遂

これでペン立ての完成です。
「いや~時間がかかったなぁ。それでも レザーカービング は楽しいな。」

カービングを施したペン立て

おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。

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