レザークラフトで箱をつくる縫い方。拝み合わせ縫いの方法 型紙付き
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目次
拝み合わせ縫いができるようになりたい
レザークラフトで「箱」がつくれるって聞いたぜ。
拝み合わせという縫い方をするとできるみたい。
拝み合わせ縫いをマスターすると作品の幅が広がるからチャレンジしましょう。
こんにちは。みどりです。
今回は拝み合わせ縫いの方法を作品つくりを通して紹介します。
参考になれば幸いです。
こちらは、拝み合わせ縫いで作ったワックス収納BOXです。
30mm×30mm×25mmの大きさのワックスが入るように作っています。
「みたまんま箱ですね。レザークラフトって革を平行に貼り合せるだけでなくて、垂直に貼り合せることが出来るのは面白いな。布だとできないことだよね。」
実際、どんな構造になっているかというと、
下図のように、革の端を斜め45度にそぎ落とした2枚の革を用意します。
その2枚を垂直に張り合わせ、糸で縫いとめています。
ここでポイントですが、
拝み合わせ縫いをするには、革の厚さがある程度必要です。
革が薄い場合は縫い糸が作品の内側に出てしまいます。
下図は、縫い穴を端から2mmに設定した場合で、
革の厚さが0.5mmのときのイメージです。
「これじゃあ、箱の中が糸だらけになってしまって見苦しいね。」
では、どのくらいの厚さが必要なのかを計算してみると、
下図で示したとおり、
縫い穴を端から2mmに設定した場合、
最低限必要な革の厚さの理論値は1mmです。
(※実際は糸の太さも影響するので、
最低でも3mmくらいの厚さは必要です。)
つまり、拝み合わせ縫いをするために必要な革の厚さは
端から縫い穴までの距離の半分の厚さです。
革に厚みを十分持たせた場合は、
縫い糸は革の中を通ることになり、作品の内側には見えません。
下図は、縫い穴を端から2mmに設定した場合で革の厚さが4mmのときのイメージです。
ちなみに、初めて拝み合わせ縫いで作品を作ったときの反省としては、
コバを45度にカットしようとしても、断面に膨らみが出来てしまっていたため、
拝み合わせ縫いで革を直角に縫うときに、断面のふくらみの分、
ピッタリと革がかみ合わず、隙間ができてしまった。
という反省があります。今回はこの点も考慮して作っていきます。
興味のある方は、以下の記事も参考にどうぞ。
拝み合わせ縫いの方法
まず初めに、拝み合わせ縫いの手順を紹介します。
① 革に厚みをもたせる
② 菱形の縫い穴をあける
③ コバを斜め45度にカットする
④ 縫い穴を斜めにあける
⑤ 革と革を垂直に接着する
⑥ 縫う
この手順に従って、これから拝み合わせ縫いでワックス収納BOXを作っていきます。
拝み合わせ縫いの実践
それでは、作っていきます。
前準備1:型紙作り
今回つくるワックス収納BOXのために以下のような型紙をつくりました。
革に厚みをもたせるために、厚さ1.7mmの革を2枚貼り合せる計画なので、
型紙には同じパーツが二つ分ずつあります。
記事の最後にダウンロードボタンを設置しましたので、興味のある方はどうぞ。
※箱の上蓋と下皿の高さは両者が噛み合う様な段差をつけるために、外側と内側で革の高さをかえています。
前準備2:型紙の転写と裁断
上記の型紙を使って革からパーツを作っていきます。
まず、型紙を革の上において、磁石で固定しながら、
型紙の輪郭を目打ちでなぞることで革にへこみをつけて型紙を転写します。
また、縫い穴の位置もあらかじめ型紙に目印をつけてあるので、
目印ごと目打ちで刺して、縫い穴の位置も革に転写します。
ちなみに、私は型紙を固定するときに磁石を使っています。
その方法に興味のある方は以下の記事を参考にどうぞ。
関連記事>>>楽に型紙を革に転写するレザークラフトの方法
その後、革についたへこみを目印にして、別たちで革を裁断します。
①革に厚みをもたせる
今回は革に厚みをもたせるために、
1.7mm厚さの2枚の革を張り合わせます。
まず、貼り合せる面をやすりで荒らします。
こうすることで、より強力に張り合わせることが出来ます。
その後、貼り合せる面に接着剤(サイビノール100)を塗って、
2枚の革を張り合わせます。
②菱形の縫い穴をあける
次に菱形の穴をあけます。
型紙にあらかじめ付けておいた目印の位置に菱キリを刺して縫い穴をあけます。
私は目打ちを打つときにでる大きな音が好きではないので、
菱キリを使って菱形の穴をあけています。
その方法に興味のある方は、以下の記事を参考にどうぞ。
拝み合わせの特徴であるコバを斜め45度に切り落とす工程です。
「はじめて拝み合わせ縫いをしたときは、この工程がうまくできなくてきれいな作品にはならなかったよ。私はこの工程が一番大事な工程だと思って丁寧に作業することにしているよ。」
正確に45度にカットするための準備として、
革の厚さを測ります。このときは3.4mmでした。
次に、革の端から革の厚さと同じ長さの位置(3.4mm位置)に目印をつけます。
目印の位置(3.4mm位置)から革の端までを斜めにそぎ落とします。
これで、正確に45度にカットできます。
「断面に膨らみができていないか、しっかり確認しよう。」
革をきれいにそぎ落とすためには、刃物の切れ味が鋭い必要があります。
私は別たちをあらかじめ砥石で研いでおき、
使っているうちに切れ味が落ちたときは
革砥にこすり付けて切れ味を回復させながら作業をしています。
その方法に興味のある方は、以下の記事を参考にどうぞ。
④縫い穴を斜めにあける
縫う工程をやりやすくするために、縫い穴に工夫を施します。
先ほど開けた縫い穴は、革に対して垂直に穴を開けていますが、
縫う際には斜めに針が通るので、そのままでは縫いにくいです。
そのため、縫い穴を斜めにあけます。
ペンチで曲げておいた画鋲を、先ほどの縫い穴から刺すことで
斜めの縫い穴を作ります。
「当初は、まっすぐな針で刺していたんだけど、まっすぐなものを斜めに刺すと、表面の縫い穴を広げてしまうので、縫った後の糸目が崩れてしまうのが嫌だな。」
「そこで、なにか細くて先端が曲がったものはないかと考えたときに、画鋲を思いつたよ。意外と使い心地がいいわ。」
⑤革と革を垂直に接着する
いよいよ、革を垂直に張り合わせる工程を行います。
まず、マスキングテープで端と端をピッタリとあわせて固定します。
断面に接着剤を塗ったあと、片方の革を立てて垂直状態を保ちながら革と革を接着します