自転車用ライトの革製ケースの作り方 ~拝み合わせ縫い~

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自転車ライトを持ち運ぶための専用ケースを自作する

ユキ

新しく買った自転車用のライトを持ち歩くためのケースが欲しいよ

ココ

革で素敵なケースを作りましょう

エン

せっかくつくるのなら、使い勝手のいいものをつくろうぜ

 

こんにちは。みどりです。
今回は自転車用ライト持ち運ぶためのケースを拝み合わせ縫いで作りました。

 

作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。

 

これが完成品です。

自転車ライト用革製ケース
 
 
ケースに収納しているのはキャットアイ社から発売されているUSB充電式ライトのVOLT200です。
 
私は普段、クロスバイクで通勤していますが、
 
帰りが遅くなったときに、今まで使っていたライトだと光量が足りなくて
 
暗い道を走行するのが不安だったんです。
 
 
そこで、光量の十分なこのVOLT200を買いました。
 
「いや~、種類が多くて選ぶのに散々迷ったね。ポイントは、光量、電源方式、価格かな。」
 
「本当は予算千円台で済ませたかったんだけど、十分な光量の商品がなくて迷ったんだ。」
 
「でも、お金をケチって暗い中走行した挙句に転倒して怪我したら、馬鹿みたいだなって思って予算を上げることにしたよ。」
 
「最終的に選んだこのライトだと、下の写真のように夜道を明るく照らすから、安心して帰れるわ。」

革製自転車用ライトの使用感

「さらに、電池式か、USB充電式かでも、迷ったんだけど、充電式をチョイスしたよ。」

「充電量が少なくなると電源ボタンが赤く光って教えてくれる機能があるから、予備電池を持ち歩かなくて済むのがいいのが選んだ理由だね。」

電池残量を知らせる

だいぶ話が脱線してしまいました。レザークラフトの話に戻りましょう。

この新しく買ったライトを持ち歩くためのケースが欲しかったので、

今回レザークラフトで作ることにしました。

 

制作意図

せっかく自作するのだから、以下の機能を持つように作りました。
 
フロント用のライトとバック用のライト、施錠用の鍵が収納できる
 
「ライトって夜間しか使わないから、日中はケースの中にまとめて入れて持ち運びたいな。」
 
 
ケースに入れたままでも自転車に装着できて、かつ、電源ボタンが押せる
 
「使うたびにケースから出し入れするなんて面倒くさいことはしたくないよね。」
 
 
オシャレである
 
「せっかく革で作るんだから、自慢できるものにしたいな。」
 
 
 
また、レザークラフトの技法の実験として、以下のことも試みました。
 
拝み合わせ縫いでケースをつくる
 
「せっかく手縫いで作るなら、ミシンでは作れない拝み合わせ縫いで作品を作りたいな。」
 
 
 
ちなみに、拝み合わせ縫いの縫い方は以下の記事で解説しています。興味のある方はどうぞ。

反省

実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
 
○フタをしたときにできる横の隙間が大きくて、中身が零れ落ちそうだった。
 
「設計段階では余り気にならなかったけど、出来上がってみると、フタをしたときに、横に収納した鍵が落ちそうな感じの隙間ができていたよ。」
 
「差込錠を取り付けた後だったから、修正が大変だったよ。」
 
差込錠を取り付ける前に、横の隙間の大きさをチェックしておけばよかったな。」
 
 
○組み立てる順番を間違った
 
「側面を縫ってから、底面をはめ込む順番で作ったけど、底面をはめ込むのが難しかったよ。」
 
「逆に、底面を側面を縫った後に、側面同士を縫う順番のほうがやりやすいかもしれないな。」
 
 

前準備

はじめにレザークラフト用の型紙をつくります。
 

構造の説明

今回作ったライト用ケースの構造をイラストを用いて説明します。
 
革製自転車用ライトケース 構造
以下の7つのパーツで出来ています。
 
①ライトの電源を押せるように円形の窓を開けた前面パーツ、
 
②自転車にケースごと取り付けることが出来るように長方形の窓をあけた背面パーツ
 
※背面パーツの上部を折り曲げて、フタとする計画です。
 
③直方体にするための側面パーツ2個
 
④ケース内部を2区画に分けるための中仕切りパーツ
 
⑤ライトの光を通すための窓を開けた底面パーツ
 
⑥ライトの落下を防止するための透明プラスチックでつくる底面カバー
 
⑦取っ手パーツ
 
 
前面パーツは背面パーツより幅を長くしているので、
 
これらを組み立てると、台形のケースが出来上がります。
 

型紙つくり

型紙はお絵かきソフトのGIMPでつくっています。
 
今回は厚さ2mmの革用に型紙を設計しました。
 
型紙から作るので、革で製作する前に紙で組み立ててみて、型紙を修正していきます。
 
「何回も作り直すから、ペーパークラフトがだいぶ上達したよ。ペーパークラフト作家になれるかも。」
cateye製volt200用ケースの試作品
 
 
 

パーツ製作

それでは、レザークラフトでケースを作っていきます。

 

型紙の転写と裁断

まず、作った型紙をコピー用紙に印刷して切り出し、
 
それを2mmの厚さの革の上におきます。
 
型紙の輪郭を目打ちでなぞることで、革に傷を付けます。
 
型紙を革に転写
※型紙の転写の方法を以下の記事にしています。興味のある方はどうぞ。
 
 
その後、革についた傷を目印にして、
 
別たちを用いて革を型紙通りに裁断します。
 
 
 

縫い穴をあける

裁断した革の上に再度型紙を置き、
 
あらかじめ型紙に印をつけてある縫い穴の位置を
 
型紙ごと目打ちで刺して、革に縫い穴位置の目印を付けます。
 
型紙を取り除き、その目印を菱キリで刺して、菱形の縫い穴をあけます。
縫い穴をあける
 
「菱キリは、刺す角度によって縫い終わりの糸目が変わるので、慎重に刺そう。」
 
※菱キリを用いた縫い穴の開けかたを以下の記事にしています。興味のある方はどうぞ。
 

 

窓を抜く

前面パーツの円形の窓、背面パーツの長方形の窓、底面パーツの長方形の窓を切り抜きます。
 
円形の窓を切り抜くときに、ちょうどいいサイズのポンチは持っていなかったので、
 
デザインナイフを用いて切り抜きました。
 
「正直、ポンチを使ったほうが楽だしきれいだな。まぁ、このサイズのポンチがないのだからしょうがないか。」
窓を抜く
 

底面パーツにプラスチック板の底面カバーを接着

底面パーツだけだとライトが落ちるかもしれないので、
 
落下防止のために、透明なプラスチック板をカバーとして
 
底面パーツにはりつけることにしました。
 
「設計上は、カバーが無くても落ちないはずだけど、念のためつけておこう。」
 
 
サイビノールでは接着できないので、G17ボンドを底面パーツとプラスチック板の両方に塗って、接着しました。
 
「カバーにボンドを塗るときには、窓部分に塗らないように注意しよっと。」
底にプラスチック版を貼る
 

床面処理

各パーツの革の床面にガラス板を用いてトコノールを塗ります。
 
「ライトを出し入れするときに、革に引っかからずにスムーズに出し入れ出来るようにトコノールでスベスベにしておこう。」
ウラ面にトコノールを塗る
 

コバ磨き

パーツを組み立てる前に、
 
フタの部分と窓の部分は組み立てたあとではコバを磨けなくなるので、
 
この段階でコバを磨いてスベスベにします。
コバを磨く
「コバの磨き方は人それぞれだけど、私はエタノールとトコノールを使っているよ。」
 
※コバ磨きの方法は以下の記事にしていますので、興味のある方はどうぞ。
 
 

拝み合わせ縫いの準備

今回は拝み合わせ縫いで組み立てるので、
 
コバを45度に削ぎ落とします。
 
「コバを正確に45度にそぎ落せるかによって、出来栄えが変わるから、ドキドキだな。」
コバを45度にカットする
「初めて拝み合わせ縫いをしたときは、うまく45度にカットできなくて、ぶっさいくな仕上がりになったな。」
 
※初めて拝み合わせ縫いをしたときの様子を記事にしています。興味のある方はどうぞ。(恥ずかしい出来栄えです。)
 
 
いろいろ作っていくうちに気づいたこととして、
 
コバをそぎ落とすときには、刃物の切れ味が鋭い必要があります。
 
私は事前に別たちを砥石で研いでおき、
 
使っているうちに切れ味が落ちたと思ったら、
 
革砥にこすり付けて切れ味を戻しています。
 
※その方法について以下の記事にしていますので、興味のある方はどうぞ。
 

組み立て

それでは、組み立てていきます。

中仕切りの取り付け

中仕切りを平縫いで前面パーツと背面パーツに縫い付けます。
 
このとき縫い代部分は、窓のある側になるように配置します。
中央仕切りを縫いつつける
※平縫いの縫い方を以下の記事にしています。興味のある方はどうぞ
 

側面パーツのとりつけ

側面パーツのひとつを拝み合わせ縫いで縫い付けます。
 
「いよいよ、拝み合わせ縫いで縫うぞ。がんばろう。」
側面を拝み合わせ縫いで縫い付ける
※もうひとつの側面パーツはまだ取り付けず、差込錠を取り付けた後に取り付ける予定です。
 
 

差込錠のとりつけ

フタにするために折り曲げた背面パーツは、
 
差込錠を用いて前面パーツで留める計画なので、差込錠をとりつけます。
 
「フタを止めるだけなら、選択肢はいろいろあるけど、自転車に取り付けて使うものだから、走行中の振動で開いて欲しくないので、差込錠を使おう。」

位置あわせ

まず、差込錠の錠部品をとりつける位置を決めます。
 
「フタを閉めた状態を維持するために、マスキングテープで固定しておくね。」
差込錠の位置を決める
 

差込錠の錠部品のとりつけ

次に、背面パーツのフタ部分に錠部品をカシメで取り付けます。
差込錠をつける
 

差込錠の台座部品のとりつけ

続いて今度は、台座部品を取り付けます。
 
取り付けたい位置で、台座を革に強く押し付けると、革が台座部品の足によってへこみます。
 
その足の跡を目印にして、デザインナイフを用いて切れ込みを入れます。
 
その切れ込みに台座部品の足をはめ込みます。
差込錠の位置を決める2
 
ウラ面に出てきた足に座金を被せます。
 
そして、足をペンチで内側に折り曲げることで、座金ごと台座を革に固定します。
差込錠の座金を取り付ける
 
差込錠を取り付けたら、残っている側面パーツを縫い付けます。
 

トラブル発生

フタをしたときに、側面にできる隙間が大きいため、差込錠の取り付けをやり直します。
 
「順調に進んでいると思ったら、隙間のことを見落としていたよ。」
 
「このままだと、鍵をいれたときに隙間から零れ落ちてしまうかも。収納したものが飛び出すケースなんて嫌だ。」
側面の様子
 
台座パーツを取り外すのは無理なので、錠パーツを取り外します。
 
固定していたカシメを釘と捺印マットを用いてはずします(カシメを壊します)。
カシメの取り外し
 
 
隙間が大きいのは、フタ部分が長いためなので、
 
フタ部分の革を端から幅1cmほど切り落とします。
 
そのあと、取り外した錠パーツを再度取り付けます。
 
「ちなみに、カシメの足の長さに対して革が薄かったので、革の小片を1枚接着して厚さを増強しよう。」
カシメ再度とりつけ
 

底面パーツのとりつけ

次に、底面パーツを底にはめ込んで縫い付けます。
 
ここで、想定外の事態が起こりました。
 
 
「しまった。組み立てる順番を間違ったかも。」
 
「側面パーツを組み立てた後に、底面パーツをはめ込むのが予想外に大変だぞ。」
 
 
ペーパークラフトの段階では問題なかったので見落としていたのですが、
 
革が硬くて、底面パーツをうまくはめ込むのが難しかったです。
 
 
 
次回作るときは、底面パーツと周囲の側面パーツを縫った後で、
 
側面のパーツ同士を縫う順番にしたいと思います。
底面を取り付ける
 
何とか底面パーツをはめ込んだら、周囲の革に縫い付けます。
底面を拝み合わせ縫いで縫い付ける
 
 
 

取っ手パーツの取り付け

最後に、取っ手パーツを取り付けます。
 
 
まず、切り出した革を折り曲げて癖をつけます。
 
「まっすぐなままだと、取り付けた後に手を入れる空間がなくなってしまうからね。」
取っ手の折り曲げ
 
次に、カシメで本体に固定します。
カシメつけ
 
ここで問題発生。
 
ハンマーを打ちつけたら、カシメが斜めになってしまい、取れてしまいます。
 
「3回も失敗したよ。うーん、何でだろう。」
 
「!!!、もしかしたら、カシメの足の長さに対して、革が薄いのかも。」
 
「ハッ、よく見たらこの部分は革が他の部分に比べて薄いな。」
カシメ付け 失敗
 
革が薄いことがカシメが斜めになる原因だと思われるので、
 
補強用に小片を一枚間に入れることにしました。
カシメ付け 厚みの増強
 
その結果、無事にカシメをまっすぐ取り付けることが出来ました。
拝み合わせ縫いで縫った革製自転車用ライトの自作ケース
取っ手がついて、完成です。
 

使用してみての感想

実際につかってみると、  
○まず、オシャレでいいな。日中に自転車のライトを持ち運んでいるとは誰も思わないよ。
 
○自転車に取り付けて使用する分にも、ワンタッチで操作できていいよ。
 
○難点をいえば、自転車から取り外すときに、ちょっと手間取るときがあることかな。
 
いろいろ反省点はあるけど、作ってよかったです。
 
 
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。

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