重ね合わせた革のコバ磨きの方法 ~3種類の接着剤で比較~

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目次

接着剤の種類による比較

ユキ

コバ処理のなかでもコバ磨きをきれいに出来るようになりたいな。

ココ

接着剤の種類によっても仕上がりが違うのかしら?

エン

実際に試して、比べてみよう!


こんにちは。みどりです。
今回は、いろいろな接着剤を使って、コバを磨く方法をまとめました。
参考になれば幸いです。
 
 
 
ところで、コバの処理方法は、コバ磨きのほかに、ヘリ返しやコーティングって方法もありますが、
 
私はコバ磨きという方法をうまく出来るようになりたいと思っています。
 
なぜなら、市販品を使ってると、だいたいがヘリ返しやコーティング処理している部分がボロボロになって見苦しくなって使いたくなくなるからです。
 
そんなときに、コバ磨きなら傷ついた場合に補修がしやすいため耐久性が高いと考えるからです。
 
 
 
そんなコバ磨きですが、ふと、接着剤の種類によって仕上がりが違うのかもしれないと疑問が湧きました。
 
 
 
そこで、代表的な3種類の接着剤(サイビノール、G17ボンド、ゴムのり)で試してみました。
コバ処理への接着剤の比較
サイビノールはネットショップで、
 
G17は100円ショップの接着剤コーナーで、
 
そしてゴムのりは100円ショップの自転車コーナーで買いました。
 
 
「ゴムのりって使ったことが無くて、試しに使うように少量タイプが欲しかったんだけど、なかなかないよ。」
 
「探し回ったら、自転車の修理道具として使われているのを発見したよ。」

 結論

○ コバの仕上がりに、接着剤の種類は影響しない。
 
3種類の接着剤(サイビノール、G17ボンド、ゴムのり)を使用してコバを磨いたのですが、
 
コバの仕上がりには接着剤の種類の影響は見られませんでした。
 
この後、コバの磨き方を紹介します。

革を張り合わせたときにできる黒い線

余談ですが、コバの磨き方を紹介する前に、
 
革を2枚重ねで貼り付けた場合、その境界面に黒い線ができることがあります。
 
うまい人はこの黒い線がでないで、まるで一枚の革のようにみえるらしいと聞いたので、
 
私も黒い線を出さないようにしたいなと思い、以前にこの黒い線をなくす方法を探求したことがあります。
 
 
そのときの結論は
○2枚の境目に黒い線が出るのは接着剤のつけすぎ
でした。
 
 
 
再度検証してみると、
 
やはり接着剤を多く塗った場合には黒い線ができました。
接着剤の多寡
 
 
接着剤が多量って、どのくらいかというと、
 
下の写真のようにサイビノールの白い色が見えるくらいです。
 
「接着剤が少なすぎて貼りつかないと嫌だなって思ったので、白い色が見えるくらいの厚さで付けていたけど、多かったみたい。」
サイビノールを多く付ける
 
このことを踏まえて、
 
コバ磨きをする前の
 
接着剤を使用しての張り合わせの段階から注意して作業をしていきます。
 
 
 
接着剤の多寡以外の条件も検証しているので、
 
興味のある方は、以下の記事もご覧ください。
 
 

コバ磨きの方法

黒い線ができる条件がわかったので、

接着剤の種類を変えながら、黒い線を出さないようなコバの磨き方を紹介していきます。

 

※ちなみに使用した革はネットショップのグッドレザーさんのコンビネーションなめしのベリンダ(パープル色)を使用しています。

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サイビノールを使用

まずは、サイビノール(100)を使用した場合の私のコバの磨き方を紹介します。
 
 
工程1.2枚の革の貼り合せる面をやすりで削ってデコボコさせます。
張り合わせる面を荒らす
 
 
工程2.サイビノールを革の中央にのせます。
サイビノールをのせる
 
工程3.中央にのせたサイビノールを端に向かって、
 
サイビノールの白い色が見えないくらい薄く延ばします。
 
 
「白い色が見えなけど、ちゃんとくっつくの?って思ったよ。」
 
「だけど、貼り合わせてみるとしっかり接着された。サイビノールって接着力が強いんだね。」
 
※延ばすのに使用した道具は、コスメ道具のアイシャドウチップです。
サイビノールをうすく伸ばす
 
 
工程4.サイビノールが乾く前に、両面に接着剤を塗った革を張り合わせて、
 
乾くまで強く押して圧着します。
 
 
 
工程5.コバ磨きをする端を切り落として断面を整えます。
端を切断する
 
 
工程6.コバの断面の両端のヘリを落として、断面を山形に整えます。
ヘリをおとす
 
工程7.山形の断面にスポンジ研磨剤(#320~600)を一方向にこすり付けて断面を削ります。
 

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「スポンジ研磨剤をこすり付けていくと、だんだん白っぽくなっていくのがおもしろいな。」
 
「ただ、まちがって行ったりきたりさせると、断面がボロボロになるから、常に1方向に動かすように気をつけないと。」
360番やすりで削る
 
工程8.スポンジにアルコール水を含ませて、少量をコバにつけます。
 
※使用したアルコールは100円ショップの手芸コーナーにあるUVレジン用クリーナー(水60%エチルアルコール40%)です。
 
 
「コバに水をつけると、乾いたときに固くなってより細かく削れるようになるんだよね。」
 
「ただ、水だけだと乾くまで時間がかかるから、揮発しやすいアルコール水を使うことにしたよ。」
アルコールをスポンジに含ませる
 
アルコールを付ける
 
工程9.コバが乾いたら、600番のやすりと800番のやすりで削ります。
 
触って、デコボコが感じなくなるまで工程8と工程9を繰り返します。
 
※600番のやすりと800番のやすりは、100円ショップのDIYコーナーにあるものを使用しています。
やすりで磨く
 
工程10.納得いく削りに仕上がったら、仕上げとしてトコノールをコバに薄く塗ります。
 
トコノールの白い色が見えなくなるくらい薄く延ばします。
 
※私はトコノールをつけるのにも、磨くのにも耳かきを使用しています。
トコノールをつける
 
工程11.トコノールが半乾きになったら、コバを磨きます。
 
耳かきの柄の部分を山形のコバの斜めの部分に当てて
 
左右に動かしながらこすり付けます。
 
輝いてきらた、反対の斜めの部分をこすり、
 
最後に軽い力で頂点の部分をこすって磨きます。
コバを磨く
 
こちらが、サイビノールを使用して張り合わせてから磨いたコバです。
サイビノールでコバを磨く
 

G17ボンドを使用

続いて、G17ボンドを使用したコバ磨きの方法を紹介します。
 
といっても、磨きの工程(工程5から工程11)はサイビノールと同じです。
 
 
工程1.2枚の革の貼り合せる面をやすりで削ってデコボコさせます。
 
 
工程2.G17ボンドを革の中央にのせます。
G17ボンドをつける
 
 
工程3.中央にのせたG17ボンドを端に薄く伸ばしていきます。
 
※今回はへらを使用して延ばしました。
G17ボンドを薄く延ばす
 
工程4.G17ボンドはサイビノールとは違って、
 
接着剤が乾いてから2枚の革を張り合わせます。強く押して圧着します。
 
 
「G17が乾くって、どのくらいかというと、手で触っても張り付いてこないくらい。」
 
「最初使ったときは、乾いてしまって本当にくっつくのか不安だったけど、圧着すると意外としっかり張り付いていて驚いたな。」
G17ボンドを乾かす
 
こちらが、G17ボンドを使用して張り合わせてから磨いたコバです。
G17ボンドで処理したコバ

ゴムのりを使用

最後に、ゴムのりを使用したコバ磨きの方法を紹介します。
 
こちらも、磨きの工程(工程5から工程11)はサイビノールと同じです。
 
 
 
工程1.2枚の革の貼り合せる面をやすりで削ってデコボコさせます。
 
工程2.ゴムのりを革の中央にのせます。
ゴムのりをつける
 
工程3.中央にのせたゴムのりを端に向かって薄く延ばしていきます。
 
※今回はへらを使用してうすく延ばしました。
ゴムのりをのばす
 
工程4.G17ボンドと同様に、手で触ってもくっついてこないくらい乾いてから、
 
2枚の革を張り合わせてから、強く押して圧着します。
 
 
こちらが、ゴムのりを使用して張り合わせてから磨いたコバです。
ゴムのりで処理したコバ
 
 

接着剤の選び方

結局、接着剤は薄く塗ることができればコバの仕上がりには影響しませんでした。
 
じゃあ、どのタイプの接着剤を使うかという悩みが生まれました。
 
とりあえず、私は以下の特徴をふまえて使い分けをしようかと思います。
 
 
 
 ○ サイビノール100:小さなパーツを強力に接着したいときに使用
 
メリット
・強力にくっつく
・粘り気がすくないので延ばしやすい
・貼り合わせてから位置の微修正ができる
 
デメリット
・乾く前に張り合わせないといけないので、すばやい作業が必要
 
 
 
○ G17ボンド:匂いが苦手なので、ほぼ使わない。
 
メリット
・強力にくっつく
・乾いてから貼り合せるのでゆっくり作業できる
 
デメリット
・匂いが苦手
・粘り気があるので薄く延ばしづらい
 
 
○ ゴムのり:大きな面を接着するきに使用
 
メリット
・さらさらしているので薄く延ばし安い
・乾いてから貼り合せるのでゆっくり作業できる
 
デメリット
・多少、匂いが気になる
・接着力が弱め
 
 
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
 
 
 

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