レザークラフト 道具を研ぐための オイルストーン の使い方と保管法
目次
オイルストーン で刃物を研ごう
こんにちは。みどりです。
今回はレザーカービング用の刃物であるスーベルカッターを研ぐために『 オイルストーン 』(油砥石)を購入したので、その使い方と保管方法を紹介します。読んだ方の参考になれば幸いです。
余談としてスーベルカッターのほかにも家の中の刃物も研いでみました。
スーベルカッターの刃を水砥石で研いだら問題があったから、やっぱりオイルストーンを買ったよ。
使い方を調べましょうか。
はやく オイルストーン でガンガン研ぎたいぜ
オイルストーン とは
レザーカービングの教本をみると、スーベルカッターを研ぐにはオイルストーン(油砥石)を用いると記載されていました。しかし、
「そもそもオイルストーンとは何ぞや?」
という超初心者なので、まずはオイルストーンについて調べました。
すると、
『一般的な包丁を研ぐ砥石は水を用いて研ぐのに対して、油を用いて研ぐのが油砥石(オイルストーン)』
ということがわかりました。
「研ぎ具合なんかは、実際に体感してみないと分からないしそんなに高額でもないから、レッツ、チャレンジ♪」
というか、以前に試しにスーベルカッター水砥石で研いでみたら問題点に気づいたので、やっぱりスーベルカッターを研ぐには油砥石を持っておこうと思ったのです。
水砥石でスーベルカッターの刃を研いだときに気づいた問題点
①砥石の一部だけが窪むことで、砥石の寿命が短くなる
②角度調整器のローラー部分に研ぎクズまみれの水が巻き込まれる。
水砥石でスーベルカッターを研いだときのことは以下の記事にまとめていますので興味のある方は合わせてどうぞ。
オイルストーン の準備
購入
ということで、ネットショップで『 オイルストーン 』と 『 オイル 』を購入しました。
オイルストーンは大和製砥所から販売されている『CHERRY OIL STONE A 極細』(品番:S4、寸法:長さ100×幅25×高さ13、粒度:#400相当)を購入。
「スーベルカッターの刃幅より少し大きい程度で十分なので、幅25mmのものでOK。それと、粒度がなるべく細かいのものを選んだらこれに落ち着いたよ。あと、価格も考慮してね。結局2時間くらいネットショップを見比べるのにかかっちゃった。」
オイルはエーゼット社から販売されている『油砥石用オイル』(100ml 、不水溶性切削油)を購入しました。
「100円グッズのミシンオイルやサラダ油でもいいらしいけど、石に浸み込ませるなら失敗したくないから、専用オイルを選んでおこう。100mlで500円くらいならいいか。酸化して臭くなっても嫌だし。」
オイルストーン に油を浸み込ませる
まずは、オイルストーンで刃物を研ぐための前準備としてオイルを浸み込ませていきます。
エーゼットのオイルはノズルキャップの下に中蓋があったので、この中蓋を取り外してから再度ノズルキャップを装着し直します。
ノズルキャップからポタポタと油をオイルストーンに落としていきます。
どれくらいの速度で浸み込んでいくのかわからないので、机の汚れ防止に布を敷いておきます。
「ポタポタ1滴ずつ落とすたびに、すぐに砥石が吸い込んでいくよ。油の匂いはほとんど感じないから嫌な感じはしないな。」
オイルストーンの半分くらいまでオイルが浸み込んだくらいで、砥石の表面に油が留まるようになりました。
「砥石全体に油が浸み込んだわけではないけど、とりあえず表面に油があれば刃物を研げるだろうから、早速刃を研ごう。」
オイルストーン の使用
スーベルカッターを研ぐ
いよいよ、スーベルカッターの刃を研ぎます。(研いだのはクラフト社製のスーベルカッターです。)
私は右利きなので、オイルストーンを180度回転させてオイルをしみこませた面を左に、角度調整にセットしたスーベルカッターの刃を右に設置します。
スーベルカッターの刃を片面ずつ5回くらいオイルストーンの上で滑らせます。研いでる間に油が吸収されたら、追加で油を足しながら研ぎます。
「お、オイルストーンが黒くなったな。しっかり刃が研げているんだろうな。」
オイルストーンで研ぎ終わったら青砥にこすりつけて細かいバリをとります。
水砥石で研いでから数回使用した刃のカット跡(写真:左)とオイルストーンで研いでから青砥にこすりつけた後の刃でのカット跡(写真:右)を見比べてみます。
「うん、あんまり変わんないな。水砥石でもちゃんと研げていたということかな。」
番外編:菱切りを研ぐ
ついでに、『菱切り』も刺しにくく感じていたからこの機会に研いでみよう。
「・・・、4面あるから、どこを研いでいいかわからないゾ。」
「とりあえず、刃の両端が切れるようになればいいのかな?・・・、自信がないからほどほどにしておこう。」
研ぎ(?)おわったら、コルク板の上に乗せた革に刺してみます。写真上の左の刺し跡が研ぐ前で、右の穴が研いだ後の菱切りによってできた穴です。
「研ぐ前の菱切りであけた左の穴は菱切りを押し込んだ感じが残ってるけど、研いだ後の右の穴は輪郭がシャープな感じがするな。」
「これは、研ぐ前は切れにくくて押し切っていたってことかな。まぁ、たしかに刺すときに硬かったもんな。」
「とりあえず、今回なんとなく研いでみたでけでも効果があったから、菱切りの研ぎ方についてもうちょっと調べてみよっと。」
余談:家の中の刃物を研ぐ
「だんだん研ぐのが楽しくなってきたから、ついでに家の中の刃物も研いじゃおう。」
まずは、彫刻刀の一種である『三角刀』を研いでみました。
オイルストーンの角で三角刀の内側を研いで裏だしをしてから、外側の斜め刃をとぎました。
研いだ後の切れ味のチェックです。写真左が研ぐ前で右が研いだ後のカット跡です。
「おお~、研いだらスパっと溝が掘れるようになったな。溝のサイドが引きつってないや。」
楽しくなったので、他に彫刻刀の『平刀』も研ぎました。
さらに、デザインナイフも研ぎました。
さらに、さらに、糸切りばさみもとぎました。
「研ぐの楽しいな。」
しまいには、散髪用の『漉きばさみ』も研ぎました。
「無印良品の漉きばさみを使ってるんだけど、切った後に髪が刃に引っかかる感じがするのが気になっていたんだよね。若干のバリがあるんじゃないかと思うので、多少でもバリを取ったら使いやすくなるかも。」
仕上げに、青砥を塗りつけた歯用のフロスをこすりつけてバリをとります。
オイルストーン の保管
調子こいて、いろいろ研いだ後の砥石を保管します。
「なんかだいぶ黒くなったね。これ、水で洗えないよね。だって石全体に油が浸み込んでるから水を弾きそう。」
洗うことは諦めて保管することしました。ネットでちょっと調べると、袋に入れて保管するらしいのでキッチンにあったポリ袋に入れて保管することにします。
「袋に入れて保管なんて厳重だなって思ったけど、油が浸み込んでるから、うっかり本とかの上においたら染み出した油で本が汚れそうって思ったから、やっぱり袋に入れておこう。」
最後に、オイルのキャップをはめて終わります。
「ぎゃっ!!!」
「キャップをはめようとしたら、油がノズルから出てきて飛び散ったゾ!」
この油の容器は、中蓋を閉めない状態でキャップを押し込むと、中の油が少量出てくるようなので、気をつけてください。
「最後の最後でブービートラップに引っかかった感じ。ちゃんと中蓋をしめてからキャップをはめよう。」
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。