鯉のぼり型レザーペンケースの作り方~型紙付~
スポンサーリンク
端午の節句があるから「鯉のぼり」をつくってみようよ。
せっかくだから、ただの飾りではなく何か実用性のあるものにしましょう。
こんにちは。みどりです。
今回のレザークラフトは鯉のぼり型のペンケースを作りました。
作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。
これが完成品です。
鯉のぼりを模した上蓋で、幅16cm、高さ5cm、奥行き4.5cmのペンケースです。
鯉の目のところがボタンになっており、
開けるとペンが1~2本収納できます。
制作意図
以下の機能を持つように作りました。
○ 机の上において鯉のぼりを楽しめる。
○ なにか実用性がある。
反省
実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
○ 最初の設計では、ペンケース本体とコイ型の上蓋を直接縫いつける予定だったが、本体の幅を考慮していなかったためうまくいかなかった。
○ 目の部分だけで上蓋を止めようとすると、尾っぽの方の上蓋が浮き上がってしまう。
制作過程
それでは、制作過程を紹介します。
本体パーツ製作
はじめに、胴体とマチで構成される本体パーツを作ります。
胴体部分作成
まずは型紙を革に転写します。
コピー用紙に印刷した型紙を革の上に置き、
その上に磁石を置いて型紙を固定します。
そして、型紙の輪郭を目打ちを用いてなぞることで革をへこませて型紙を写します。
磁石を使った方法の詳細は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>楽に型紙を革に転写するレザークラフトの方法
次に、型紙につけた縫い穴の目印を型紙ごと目打ちで刺して革に写します。
型紙を取り外して、転写した輪郭線に沿って革包丁で革を切断します。
つづいて、胴体を折ります。
折る部分の目印として、折り目の両端に位置する縫い穴を目打ちで大きく刺します。
革を裏返して、先ほど目打ちの穴を目印にして、
折り目に目打ちと定規で直線を引きます。
そして、その直線を頼りに彫刻刀の一種の三角刀を用いて溝を掘ります。
掘った溝の部分で胴体を三つ折りにします。
念のため、胴体の折り目をしっかり付けるために、
溝の部分に少量の水を付けます。
水分が乾くまで目玉クリップで固定します。
あとは、目打ちで写した縫い穴位置を菱切りで刺して、平行四辺形の縫い穴を開けます。
菱切りを使った縫い穴のあけ方は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>【レザークラフト騒音対策】菱キリを用いた縫い穴のあけ方
最後に、裏面にトコノールを縫って、裏面の毛羽立ちを抑えます。
これで、胴体部分は完成です。
マチ部分作成
次に、マチ部分を作ります。
切り出したマチ部分の表側に折り目を付けます。
折り目部分に目打ちと定規で直線を引きます。
つけた直線に沿って端を折ります。
折り目を固定するために、裏面に水を少量つけます。
そして、目玉クリップで水分が乾くまで固定します。
胴体とマチを仮止めします
「・・・」
「・・・!!!」
「マチが胴体から飛び出している!」
「あ~、革の厚さ1.5mmを考慮していなかったからか。うーん、マチの作り直しだな。」
ペンケースの奥行きは40mmで設計してましたが、
革の厚さを考慮するために、実際に図ってみると内径は37mmでした。
型紙の縦横サイズを修正して、マチを作り直しました。
コイ型上蓋パーツ製作
つづいて、鯉のぼりとなる上蓋パーツを作ります。
まずは、型紙の転写を行います。
本体パーツと同様に型紙を革の上におき、磁石で固定します。
輪郭線や縫い穴を転写するほかに、鯉の模様も転写します。
ボタンホックを取り付ける目の部分は中央点を目打ちで刺します。
エラの部分はデザインナイフで型紙ごと切れ目を入れます。
鱗模様の部分は、彫刻刀の一種の丸刀で型紙ごと鱗の頂点を刺して鱗の位置を革に写します。
模様を転写した直後の様子です。
この状態から、もう少し模様を整えていきます
エラの部分は切れ込みに対して斜めにデザインナイフを入れて斜めの切れ込みを入れます。
鱗の部分は、鱗をもう少し大きくするために、丸刀の切れこみにさらに丸刀を差し込んで半円を大きくします。
鱗に陰影をつをけるために、鱗の切れ込みに丸刀を斜めに刺して斜めの切れ込みを入れます。
最後に切れ込みの毛羽立ちを抑えるために、トコノールを切れ込みに塗ります。
これで上蓋パーツの完成です。
組み立て
いよいよ、本体パーツと上蓋パーツを合体させてペンケースを組み立てます。
背パーツの作成
本体パーツと上蓋パーツを仮止めします。
「・・・」
「・・・!」
「上蓋が曲がっちゃってる。う~ん。本体の厚さを考慮していないせいか~。」
このまま本体と上蓋を合体させてもうまくいきそうにないので、ひとつパーツを増やすことにしました。
本体パーツと上蓋パーツの間に背パーツを設けます。
「太陽を受けて輝く背びれをイメージして銀色の革にしよう。」
背パーツの中央に水をつけてから折って、折り目をつけます。
これで、各パーツの完成です。
組み立て
それではこれから各パーツを組み立ててペンケースを作ります。
まずは、背パーツと上蓋パーツを合体させます。
接着剤がしっかりつくように、背パーツの表面をドレッサーで荒らします。
そして、上蓋パーツの端に接着剤(サイビノール100)を塗って、背パーツと張り合わせます。
接着剤が乾いたら、縫い付けます。
ちなみに、糸目を綺麗に出す縫い方を以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
次に、ボタンホックを取り付けます。
上蓋パーツの裏にホックのメスパーツを取り付けます。
本体パーツの表にホックのオスパーツを取り付けます。
そして、背パーツと本体パーツを合体させます。
下準備として、背パーツの端を切り落とします。
こうすることで、背パーツを本体パーツの胴体とマチで挟んだ時に、背パーツの断面を見せずに済みます、
本体パーツに接着剤を塗り、背パーツと張り合わせます。
貼り合わせるときに、背パーツのほうが少し短いので本体パーツの端がすこし余ります。
接着剤が乾いたら、糸で縫い付けます。
ちなみに、私はレーシングポニーの代わりにブックエンド使用しています。使い方を以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
マチと合体させる前に、胴体、マチの端(コバ)の角をヘリ落としを用いてカットしておきます。
つづいて、胴体にマチを合体させます
マチに接着剤をつけて胴体に貼り合わせます。
このとき、胴体とマチの端をピッタリとあわせます。
乾くまで少し時間があるので、反対側のマチも同様に接着剤で胴体と張り合わせます。
マチの3辺合計の長さの4倍くらいの長さの糸を準備します。
接着剤が乾いたら、糸で縫い付けます。
胴体を90度に折り曲げて、胴体の底辺とマチの底辺を接着剤で貼り付けます。
接着面を目玉クリップで固定しながら、
乾くまでの間に、反対側のマチの接着剤が乾いているので、糸で縫い付けます。
そうこうしているうちに底面の接着剤が乾くので、糸で縫い付けます。
残りの辺の胴体とマチをこれまでと同様に接着剤と糸で縫い付けます。
また、反対側のマチも同様に縫い付けます。
縫い終わりは補強のために胴体とマチを引き締める形に糸を渡したいので、
糸を引き締める前に、この部分のコバを磨きます。
コバを磨き終わったら、糸を引きしめます。そのあとで糸の始末をします。
最後に、まだコバを磨いていない部分を整えてコバを磨きます。
これで鯉のぼり型ペンケースの完成です。
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
型紙公開
興味のある方のために型紙を無料で公開します。
ただし、注意点として以下の事項を守ってください。
・個人の方が趣味の範囲で使用してください。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
・型紙に5cmの縮尺を掲載してありますので、印刷後に縮尺が正しいかを確認してからご使用ください。