革と帆布リュックの作り方 ~型紙公開~
レザークラフトでの目標の一つ
いつかはリュックが作りたいな。でも難しそう。
「いつか」なんて来ないぜ。「いつやるの?」「今でしょう!」
( と、言いつつ3年は経ったなぁ…)
ふぅ~、そろそろ始めましょうか。不出来でもいいから、チャレンジしてみましょう。
こんにちは。みどりです。
今回は革と帆布(はんぷ)を使ってリュックサックを作りました。
作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。
これが完成品です。
フタ、肩ひもベルト、そして底は黒色の革を使用していて、
胴体と前面ポケットは帆布を使用しています。
フタを開けて中を覗くと、
内側には布で内張りはしていないので縫い目が見えます。また、帆布同士を縫ったときの端はバイアステープでくるんであります。
背面はファスナーで開け閉めできるようにし、さらに、片マチをつけて開口部を広くしました。
制作意図
以下の機能を持つように作りました。
○軽いこと
軽くするために、必要最小限の荷物が入る小サイズで、革100%ではなく帆布を使い、内側に布を張ることを省き、さらに、金属部品を最小限にして軽量化を図りました。
「背負っていても疲れないような軽いリュックがいいなぁ」
○見た目がスッキリしてお洒落であること
前面は緩やかなAラインシルエットで、本体上部を小さくすることでスッキリさせたデザインにした。さらに、クラシックな感じにするために、フタを止める部分には尾錠を用いました。
○ものの出し入れがしやすいこと
フタの留め具である尾錠は開け閉めがしづらいので、背面にファスナーをつけて物の取り出しを行う。さらに取り出しやすくするために片マチをとりつける。
○丈夫であること
傷がつきやすい底部の角には角当てを当てて補強する。
○肩紐ベルトは背負っていても疲れないこと
肩紐ベルトの幅が細すぎると体に食い込むので、20mmくらいの幅にしてみる。
また、革を2枚貼り合わせてその間にクッション材を入れる。
○肩紐ベルトが体にピッタリすること
現在使用しているリュックは大きい上に肩紐をピッタリサイズまで短くできない仕様のものです。そのため、リュックの重さによる後ろに倒れる力に対抗するために猫背になりながらリュックを背負って歩いています。
「体にかかる荷物バランスを均等にしたいためにリュックを背負っているのに、猫背になるなんて本末転倒だなぁ。」
そこで、肩紐の長さを身体にピッタリな長さしようと思い立ちました。しかし、そうすると、リュックを背負う際に、肩と腕を大きく動かさないと肩紐の間を通らない問題が出てきました。
「肩こりもあって肩甲骨もガチガチに硬い身体としては、これもつらいなぁ」
背負うたびに肩と腕を大きく動かすのは辛いので、左肩の肩紐は長く作りつつも、肩紐の間にバックルを取り付けることで、背負うときは長く、背負っているときはピッタリな長さを目指します。
「私は背負う動作のときに、必ず右肩を肩紐に通してから、左肩を通す癖があるので、右肩紐はピッタリサイズで左肩紐だけ長くなれば十分だなぁ」
反省
実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
○ 帆布の胴体を縫うときに、ベルト終端用の三角部品を縫うのを忘れた
胴体を縫うのに夢中になって、縫った後に縫い忘れに気づいた。仕方がないので、縫い目をほどいてから再度縫うことになって大変だった。
○ 胴体を縫ったあとに底部分を縫うのは大変だった。
底部の革の穴の位置が見えずらくて、手縫いは大変だった。そこで、スピーディーステッチャーを買って使うことにした。
○ベルトをつくるときは、革の伸びる方向を考慮して、向きを揃えて革に型紙を置く
いくつかの革をつないでベルトをつくったら、曲げたときにしわの方向がバラバラになってしまった。革を裁断するときに革の伸びやすい方向を考慮しなかったことが原因だと考えられる。
○肩紐ベルトは市販品を使ったほうがいい
計画では革を2枚貼り合わせて、その間にクッション材を入れようと思っていたが、実際に革を2枚貼り合わせたら、1.0mm厚の革だと貼り合わせたときに内側の革にシワがたくさんできた。このままだとシワ部分が割れてきそうだったので、急遽、裏面には革ではなくてアクリルテープを貼った。さらに、ベルトの周囲を縫うのも大変だった。
「これだったら、厚みのある革テープを買ったほうがいいなぁ。」
○肩紐ベルトと終端三角部品の形が合わない
肩紐ベルトを終端三角部に差し込む際に、形が合わなくてベルトの端を切り取る必要があった。
○本体の折り目には組み立て前にステッチを入れておこう
片マチ部分などはアイロンでつけた折り目だけではよれてきた。そのため、ステッチをあとから施すことになって大変だった。
○背負ったときに側面がダボついてしまった
アドリブで側面にステッチと、留め具を取り付けることとなった。
○11号帆布だと、張りが少し弱い
中に物を入れない状態だと、クテッとしてしまって形が保ちづらかった。
○体にピッタリサイズの肩紐ベルトは夢物語だった
体にピッタリサイズを目指して肩紐ベルトを作ったが、着るアウターによってピッタリサイズの長さは変わるので、ぴったりにはできなかった。
「今思えば、これって作る前の計画段階でわかりそうなことだったなぁ。次作るときは長さ調節用のアジャスターを肩紐に取り付けよう。」
制作前の準備
型紙つくり
型紙はお絵かきソフトのGimpで作りました。作っては印刷・組み立てを行って修正をしていきました。
「フタの長さとか、ポケットの収納力とか、実際に形にしてみることで想像との違いを確認できたのがいいね。」
「それと、作りかけの試作品が目に入ることで、創作の原動力になったよ。なんせ、完成させるまで試作品たちが部屋を圧迫するから、部屋の整理のためには完成させなくちゃっておもえたから。」
構造の説明
簡単に構造の説明をイラストで紹介します。
・本体と前面ポケットは帆布を使用します
・フタ、肩紐ベルト、底面は黒色の革を使用します。
・背面に片マチ付きの取り出し口を設けて、開閉はファスナーで行います。
・肩紐ベルトの上部は本体背面上部にフタと共に縫い付けて、その上から肩ひも 固定帯をかぶせて補強します。
・肩紐ベルトの下部は帆布で作った終端三角部品に取り付けます。
・フタの開閉は本体に取り付けた尾錠とフタに取り付けた剣先で行います。
材料
材料は以下のものを使用しました。
革(厚さ1mm)A4サイズ3枚
帆布(11号 550mm×600mmくらい)
バイアステープ(幅18mm×長さ1.5m品)1個
尾錠 (内寸20mm) 1個
四角環(内寸20mm)1個
アクリルテープ( 幅20mm×長さ3.2m品)1個
バックル (内寸20mm) 1個
ファスナー(16cm)2個
スナップボタン(8mm)2個
「同じ品質の革をA4サイズで複数枚入手できるのは便利だわ」
制作の様子
それではこれから制作の様子を紹介していきます。
大まかな工程は、
・帆布部分の制作
(部品作成、前面パーツ、側面パーツ、背面パーツ、組み立て)
・革部分の制作
(部品作成、肩紐ベルトパーツ、 フタパーツ、 底面パーツ、組み立て)
・帆布部分と革部分の組み立て
・微修正
になります。
帆布部分の制作
まずは、帆布部分を作ります( 部品作成、前面パーツ、側面パーツ、背面パーツ、組み立て))
部品作成
机の上に広げた帆布に型紙を乗せて、それをマスキングテープで固定します。
「マスキングテープを貼るときにひと工夫して、この先の作業でバイアステープで縫う部分は紫色の花柄のテープを貼って目印にしたよ。」
帆布生地を型紙とともに布用ハサミで裁断していきます。
「薄い生地なら、デザインナイフで切るのだけど、帆布は厚いからハサミでないと切れなかったわ」
帆布は生地の端がほつれてくるので、端を三つ折りにしてほつれを防止します。
三つ折りにするために帆布ごと型紙を折って、型紙の上からアイロンをかけることで帆布に折り目を付けます。
「いままで布を扱う際に、この折り目の位置を測る作業が手間だったけど、型紙ごと折って、その上からアイロンをかけるという方法だと楽だわ。」
前面パーツの作成
始めに、前面パーツを作ります。
前面パーツにはポケットを取り付ける計画なので、先にポケットを作ります。
まずは、ポケットの開口部(ポケット内部となる側)にファスナーとその両端にファスナー端止めをミシンで縫い付けます。
「ファスナー端止めを縫うときは、生地が重なり合って厚いために自動モードで縫おうとすると針が折れそうだったので、ミシンの手動モードである手回し車を用いて、針が折れないかを確認しながら慎重に縫ったよ。」
次に、ポケットと前面パーツを合体させます。
以下の写真のように、前面パーツ表側の上に先ほど縫ったファスナー(および端止)をポケット内側となる側を上にして置きます。そして、 ファスナー(および端止) と前面パーツをミシンで縫います。
(写真では、前面パーツの下端を左側に、ポケットの下端を右側にして置いていています。)
「誤ってポケットを斜めに取り付けたら嫌なので、定規をガイドにして水平位置を決めてから、白い糸で仮止め縫いをしてから、ミシンで本縫いをしたよ。」
「小学校で裁縫を習いたての頃は、仮縫いなんて面倒くさいと思ってたけど、今回みたいに失敗したくないときは仮縫いって大事だなぁって思う。」
側面パーツの作成
次に、側面パーツ(右側面パーツ、左側面パーツ)を作成します。
側面パーツの両端はこの先の作業でバイアステープで縫うので、この段階では上端と下端のほつれ防止処理を行います。
上端と下端をそれぞれ三つ折りにしてミシンで縫います。
この処理を、 右側面パーツ、左側面パーツで行います。
「11号帆布だったら三つ折りくらいの厚さなら針は折れないから、ダーっと勢いよく縫っちゃえ」
背面パーツの作成
続いて、背面パーツをつくります。
背面パーツは、上部、ファスナー(および端止)、片マチ付きの下部を合体させます。
まずは、背面上部の上端をほつれ防止のために三つ折りにしてミシンで縫います。
下端はファスナーを取り付ける際に縫うので、まだ縫わないです。
次に、背面下部の下端とマチ上端をほつれ防止のために三つ折りにしてミシンで縫います。
そして、背面上部と下部の間にファスナーを取り付けます。
仮置きしてみたら、16cmファスナーだと長かったので短くします。
関連記事>>>引っ張らずにファスナーの長さを短くする方法
いよいよ、背面上部、短くしたファスナー、そして下部パーツを合体させます。なお、このときファスナー下端にはファスナー端止め生地を被せて縫います。
帆布部分の組み立て
各パーツができたので、組み立てていきます。
まずは、前面パーツに側面パーツを縫い付けます。
前面パーツと側面パーツの端同士を中表にして接着剤でくっつけます。乾くまでは、クリップで固定します。完全に接着できたら、その両端を覆うようにバイアステープも接着します。
次に、中表にした二つの生地の折り目とバイアステープ片側の折り目を併せてミシンで縫います。
帆布の端をくるむようにバイアステープを折り返して、接着剤で仮止めします。そして、バイアステープの端をミシンで縫って本縫いします。
この作業で、前面パーツに右側面パーツと左側面パーツを合体させます。
次に、側面パーツと背面パーツを縫い付けます。
上記の作業と同様に、側面パーツと背面パーツの端をバイアステープでくるむように縫い付けます。ただし、片マチ部分では、片マチの端と側面パーツを縫い付けます。
なお、このときにファスナーの不要部分は切り落としておきます。
片マチを縫い付けるときは、以下の写真のように側面パーツ、背面パーツのうち片マチ部分、そしてバイアステープをあわせて縫い付けます。
ちなみに、片マチ部分のファスナーの端は四角形に縫って強度を上げておきます。
これで、帆布部分は完成です。
しか~し、組み立て終わった段階で痛恨のミスが発覚!
「肩ひもの終端を固定する三角部品を縫い付け忘れていた!」
「どうしよう…、見なかったことにするか?いやいや、リュックにとってこの部分は地味に大事な部分だから、どうしても取り付けよう。」
仕方がないので、縫いなおすことにしました。
三角部品を取り付る位置にあたる部分の糸をほどいて、三角部品を接着剤で仮止めします。そして再び縫いました。
これで帆布部分の完成です。以降ではこれを『胴体 』と呼びます。
革部分の制作
次に、革部分をつくります。 (部品作成、肩紐ベルトパーツ、 フタパーツ、 底面パーツ、組み立て)
部品の作成
最初に革に型紙を写します。
革の上に型紙を置いて型紙の輪郭を目打ちで革に移します。そのあとに、革の裁断と、菱切りを用いて縫い穴を開けます。
関連記事>>>楽に型紙を革に転写するレザークラフトの方法
関連記事>>>【レザークラフト騒音対策】菱キリを用いた縫い穴のあけ方
肩紐ベルトパーツの作成
次に、肩紐ベルトを作ります。A4サイズの革から切り出したので、いくつかの部品をつなぎ合わせて肩紐ベルトにします。
まずは、つなぎ目部分にあたる2つの革の端のオモテと裏をそぎ落とします。こうすることで重ね合わせたときの厚みをほかの部分と同じにします。
次に、重ね合わせ部分は接着剤で接着します。その後に中央を糸で縫って補強します。
そして、革のオモテ面にピュアホースオイルを塗ります。このオイルで手垢防止と革に柔軟性を持たせます。
「これまで何度か手垢によって泣いてきたから、対策をしておこう。それに、ピュアホースオイルだと、革が柔らかくなるから、曲げて使うベルトにはちょうどいいね」
関連記事>>>ヌメ革のお手入れクリーム比較~王道4種・代用品3種~
続いて、革の断面をなめらかにします。
革の断面をやすり削って毛羽立ちを整えます。その後にトコノールを塗って滑らかにします。
「断面の距離が長いな。しかもフニャフニャしてトコノールを塗りにくいな。そうだ、定規を当てて固定しよう。これで多少は塗りやすくなるわ。」
そして、接着剤を用いて革の裏面にアクリルテープを貼り付けます。
いつも使っている接着剤はサイビノールですが、貼り付ける面積が大きいので、この部分はクリヤボンドを使用しました。
革とアクリルテープの周囲を糸で縫って固定します。
「この作業はしんどいわ~。延々と縫い続ける必要があるけど、私は縫うの遅いんだよね。どうにかならないかな?」
「そういえば、教本(レザークラフト技法辞典1)には針をクロスさせて持つって書いてあったな!あの縫い方なら早く縫えるかも。レッツチャレンジ!」
教本に書いてあった縫い方を真似て縫ってみたら、早く縫えるようになりました。
「レザークラフトを始めたばかりの頃に読んだときは、何言ってるか理解できなかったけど、今読むと理解できたわ。自分、レベルアップしてるんだなぁ。」
最後に、左肩用の肩紐ベルトにバックルを取り付けます。
リュックを背負いやすくするために、左側の肩ひもベルトは長くしています。しかし、片側だけ長いと左右のベルトの長さが異なってしまって不便です。そこで背負ったときに同じ長さにできるように、左側の肩紐ベルトにはバックルを取り付けて短く調整できるようにしておきます。
これで、肩紐ベルトパーツの完成です。
今回肩紐ベルトを作ってみて、しみじみと思ったのは、
「ベルトを手作りするのは大変。ここは市販の革テープを買って加工したほうがよかったな。2㎜くらいの厚さだったら、裏にアクリルテープを貼らなくてもいいから、周囲を縫う手間が省けるな。」
ちにみに、最初の構想ではベルトは2枚の革を貼り合わせる予定でした。
しかし、実際に貼り合わせてみると、ベルトを曲げたときに内側の革にシワが多くできてしまいました。
「うーん、このまま使い続けると、できたシワの部分からひび割れていきそうだぁ。長持ちしなさそうだから止めておくか。」
という風に思ったので、急遽、裏面にはアクリルテープを貼ることにしました。
また、 よく見ると曲げたときにできるしわの方向がチグハグになっていた。これは、革を切り出すときに革の伸びやすい方向を考慮しなかったことからだと思われる。
フタパーツの制作
次に、フタパーツとフタを開閉するための尾錠留めと剣先を作ります。
まずは、尾錠留めと剣先を作ります
尾錠留めと剣先に尾錠の金具が入る孔を開けます。今回は4mmのポンチで孔を開けます。
尾錠留めに尾錠を取り付けるためには、中央に楕円の孔をあけます。そのためには、楕円の両端にあたる部分をポンチで孔を開け、その間を革包丁で切り落として楕円にします。
尾錠と四角環を取り付けた後に、尾錠留めの両端を接着剤で固定します。
そして、尾錠留めを胴体の前面パーツに取り付けます。白い糸で仮止めして位置を合わせたあとに、黒い糸で縫い付けます。
次に、フタパーツを作ります。
フタパーツの裏面と断面にトコノールを塗って滑らかにします。
そして、フタパーツの先端に剣先を縫い付けます。
底パーツの制作
次は、底パーツを作ります。
まずは、底パーツのうち、折る部分は彫刻刀の一種の三角刀で溝を掘って折りやすくします。
なお、底パーツの角部にあたる部分は、2mmポンチで孔をあけておきます。
次に、底パーツの裏面と断面を滑らかにします。
底パーツの裏面と断面にトコノールを塗って滑らかにします。ただし、端部分の帆布と合体させる部分はこの後の作業で接着剤を塗るので、トコノールは塗らずにおきます。
これで、革部分の完成です
胴体と革パーツの組み立て
部品が完成したので、いよいよ組み立てていきます。
胴体と底パーツの合体
まずは、胴体に底パーツを合体させます。
底パーツの折る部分に接着剤を塗って折り、胴体に接着させます。
なお、角部分の革が重なるところは表と裏に磁石を置いて固定しながら、白い糸で仮縫いをします。
そして、黒い麻糸で本縫いをしていきます。
ポケットを縫うときは、表に糸が出ないように、ポケットの中の布と底パーツをを縫い進めていきます。
半分くらい手縫いをして、
嫌になりました。
嫌になりました。
「だって、手縫いだと裏から針を通すときに縫い穴が見えないんだもん。1つの孔を縫うのに手探りだから3分くらいかかるし、針は3本も折れるし。もう、いやだぁ。」
ここで、新兵器登場です。
その名も『スピーディーステッチャー』
片側から針を刺して、引き抜けば縫えちゃう、っていうすぐれものです。
「この器具のことは知らなかったけど、嫌になってた頃にショッピングサイトの商品案内メールでレコメンドされて知ったの。即買いしたわ。」
「使ってみると、胴体の内側から縫い穴を探さなくていいから、サクサク縫えてすごくよかった。」
関連記事>>>レザークラフトでのスピーディーステッチャーの使い方
フタパーツの合体
次に、フタパーツを胴体に合体させます。
フタ裏面の端に接着剤(サイビノール100)をつけた状態で、胴体背面上部に乗せます。念のため、はずれないように白い糸で仮縫いをして固定しておきます。
この状態で、しばし放置して次の肩紐ベルトの合体作業を行います。
肩紐ベルト上端&持ち手の合体
次に、胴体&フタパーツに肩紐ベルト上端と持ち手を取り付けます。
まずは、本縫いの前に位置合わせを行います。
胴体に接着しているフタパーツの上に持ち手と肩紐ベルトを乗せ、位置を合わせてから白い糸で仮縫いをします。
「試しに、肩紐ベルトの間隔を最初10cmにして背負ってみたけど、しっくりこなかったので、狭めて9cmにしたよ。」
位置が決まったら、フタパーツの下端の縫い穴を目印に、胴体、フタパーツ、肩紐ベルト、そして、持ち手をまとめて縫っていきます。ここもスピーディーステッチャーで縫いました。
フタにつけた縫い穴は2段あって、ここでは下段を縫ったけど、上段はこの後に肩ひも固定帯を取り付けるときに縫うので、いまは放置します。
「この箇所も、革の裏面に帆布があって、裏からは縫い穴位置がみえないのでスピーディーステッチャーが活躍したわ。」
肩紐ベルト下端の合体
肩紐ベルト下端を胴体の三角部品に合体させます。
肩紐ベルトを胴体下部にとりつけた三角部品に差し込みます。
しかし、ここでトラブル発生!
「あれ、入らない...あ~、ベルトの端が邪魔してるのか。」
仕方がないので、ベルトの端を三角形に切り落とします。
これで、三角部品に差し込むことができました。
やっと、肩紐ベルトを三角部品に縫い付けます。
ベルトに接着剤をつけて三角部品に差し込み、目打ちを用いて等間隔に縫い穴を開けます。その穴を目印にスピーディーステッチャーを用いて縫い付けます。
肩ひも固定帯の合体
次に、肩ひも固定帯を合体させます。
肩ひも固定帯を取り付けることで肩紐ベルトまわりの見栄えをスッキリさせます。
フタパーツ&肩紐ベルト上端&持ち手の上に肩ひも固定帯を被せます。このとき、固定帯上部の縫い穴とフタパーツ上段の縫い穴の位置を合わせておきます。
そして、肩ひも固定帯を縫い穴に従って縫い付けていきます。
ただし、持ち手や肩紐ベルトは持った時の負荷が大きくかかる部分なので、手縫いで縫って強度を上げます。
これで、完成!!
完成かとおもいきや…
完成した!!
…とおもいきや、ベルトを持ってリュックを持ち上げてみると、2点気になる点がでてきました。
気になる点①:背面の片マチ部分がダボついている。
気になる点②:開口部の側面が広がる
「これは…だらしなく見えるなぁ。どうにかしなきゃ」
微修正
早速、気になる点を修正していきます。
まずは、①片マチのダボつきから直します。
対策:片マチの折り目の端ににステッチを入れて、折り目を固定する。
「ここも、スピーディーステッチャーで縫おう。手縫いでもよかったけど、この器具が気に入ったよ。でも、一番は最初のマチを作るときにミシンで縫っておけば良かったのだけどね。」
次に、②開口部の側面の広がりを直します。
対策を2つ施しました。
対策1:側面中央に折り目をつけて、その折り目を裏側から縫って固定する。
折り目をつける位置を割り出すために糸でガイドを作ります。写真で示した垂直な縦糸部分に折り目を付けます。
ガイドの垂線を目印にして、側面の裏側(リュック内側)から折り目の端を縫っていきます。
つづいて、対策2:側面の両端に留め具をつける。
スナップボタンを縫い付けた細長い革の小片を胴体側面に2個づつ(計4箇所)縫い付けます。
縫い付け終わったら、スナップボタンを閉じれば完成です。
関連記事>>>【打ち具不要】革にスナップボタンを縫いつける方法
完成
今度こそ完成です。
持ち上げたときに、片マチもダボついていないし、側面の開口部も広がっていないです。
ただ、11号帆布で作ったので、中に何も入れないと少しクタッとします。
そこで、インナーバックとして小ぶりの紙袋を入れて使います。
「紙袋なら軽いし、そこそこの強度もあるから便利だよ。リュックの中にゴミが入っても紙袋ごと取り出せばいいからね。」
使用してみての感想
○リュックが気になって、ついついガラスに映る自分の姿をチェックしてしまう。
「わ~、ナルシストっぽいわ。でも、姿勢チェックにもなるから良しとするか。」
○左肩紐の折り畳んだベルトが目立つかなと思ったが、脇に挟む形になるので目立たなかった。
型紙公開
興味のある方のために型紙を無料で公開します。
ただし、注意点として以下の事項を守ってください。 ・個人の方が趣味の範囲で使用してください。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。 ・型紙に5cmの縮尺を掲載してありますので、印刷後に縮尺が正しいかを確認してからご使用ください。
初めまして、失礼します。
しっかりこだわって作られているのだなぁと思いました。
私には縫い物系は難しく、複雑そうに見えるので作れないですが、見ているだけでも面白かったです。
私はハンドメイドでかごバッグ作ってますが、かごでリュック作りたくなりました(笑)
いきなり失礼しました。
こはるおと さんコメントありがとうございます。
記事を楽しんでいただけてうれしいです。励みになります。
かごバックも素敵ですよね。
それをさらにリュックに仕立てるなんてワクワクしそう。
ぜひ頑張ってください。