レザークラフトでマウスパットを作成 ~ヘリ返しと菊寄せに挑戦~

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ユキ

「へり返し」って方法があるみたいだけど、初心者のわたしには難しそうだわ。

ココ

でも、「へり返し」ができるようになると、作れる革小物が増えるからがんばりましょう。まずは直線で縫うだけのマウスパットを作って練習としましょう。

 

こんにちは。みどりです。
今回は革の端部分を折り返す処理方法である「ヘリ返し」の練習を兼ねてマウスパットを作りました。

作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。


これが完成品です。
レザーでつくった滑り止め付きマウスパット

制作意図

以下の機能を持つように作りました。
○机の上を滑らない。
マウスを動かしたときにパットも一緒に動くと不便なので、100均で売っている滑り止めシートを裏にとりつけることにしました。
マウスパットのウラに滑り止めシートを貼る
 
○手首を置けるクッションがある。
せっかく作るならクッションも欲しいと思ったので、100均で売っているなかで一番固めのスポンジでクッションを作りました。
マウスパットの手首クッション用にスポンジを使う
 
また、レザークラフトの技法の実験として、以下のことも試みました。
○コバ処理方法のひとつ「へり返し」を行う。
 
○コーナー部分はヒダをつくってギャザー状にする「菊寄せ」技法を行う。

反省

実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
 
○手首置きパーツは本体を包んで縫うため、6mmだと短かったので8mm必要だった。
 
最初に切り出した手首置きパーツを本体パーツにかぶせたときに端が短いことに気づいたので、型紙上で端を8mmにして作り直しました。
 
 
○コーナー部分は折り返した端の長さがコーナー以外の部分より短くなる
 
初めてヘリ返したコーナー部分はうまくいかなかったです。
「あんまり見た目良くない。。。というか、それ以前に縫い糸が通っていなくて接着剤で固定してあるだけでしかない。。。これはイカンしょ。」
 
事前にあけた縫い穴の位置までヘリ返した革が届いていなかったです。
 
型紙上での端の長さは、革の厚さを考えない場合で折り返して6mmと考えていたが実際に折り返すとコーナーでは3mmになったので縫い穴位置にギリギリ届かなかったです。
 
「コーナー以外では折り返して5mmだったけど、コーナーだと革が集まるから革の厚さの影響がでて3mmになるのか~。次回からは型紙をつくるときはコーナー部分の端は長めに設定しておこう。」と思いました。
コーナー部分の最初の減り返し
 
○菊寄せをおこなう場合の革の端の厚さは1mmでもヒダが厚くみえる。
 
いろいろ調べて、なんとか菊寄せ技法でコーナーをへりかえしました。
「おー、見た目がぜんぜんちがう。この方法をもっとうまくなりたいな。」
コーナー部分の最後の減り返し 菊寄せ技法
 
ただ、今回革の端を1mmまで薄くそいで菊寄せをおこないましたが、すこしヒダが厚いようにみえました。おそらくコーナー部分は0.5mmくらいまで薄くしたほうが綺麗なヒダになるのではないかと思いました。
 
 
※追記
コーナー部分を簡単に菊寄せにする方法を記事にまとめました。興味のある方は以下の記事もどうぞ。
 
 

 

制作過程

製作過程を紹介します。

1.アイデアだし

はじめに、作りたいマウスパットのアイディアをノートに書き出して頭の中を整理します。

マウスパットの構想をノートに書き出す

2.型紙作り

型紙はお絵かきソフトのGIMPでつくりました。今回は「ヘリ返し」を行うので、縫い穴位置は本体ラインの内側3mm位置にして、裁断ラインは本体ラインの外側6mm位置でつくりました。

※手首置きパーツは本体を包んで縫うため、6mmだと短かったので9mm必要でしたので途中で型紙を修正して作り直しました。

マウスパットの型紙

3.革に転写

型紙をコピー用紙に印刷して、革の上において型紙を転写しました。

※転写の方法は以下の記事で紹介した方法と同じです。

 

ユキ
型紙を革に転写する
 
縫い穴位置も目打ちで刺すことで革に転写しました。
縫い穴位置を革に転写

 

4.裁断

別たちを使って革を切り出しました。

マウスパット用に革を切る

5.穴あけ

革に転写した縫い穴位置を目印に、目打ちと二目菱目打ちを使って騒音を出さずに穴をあけていきました。

※縫い穴をあける方法は以下の記事で紹介した方法と同じです。

 

マウスパットの縫い穴を二目菱目打ちであける

※今回使用した革は薄かったので、菱目打ちを刺すときに革の端が動いてしまい力が逃げやすかったため、端を目玉クリップで下の捺印マットと挟んで固定しました。
 
 
 

6.裏側へ折りたたむヘリ部分を薄くする

「ヘリ返し」技法で革の端を折り返すために、ヘリ部分の厚さを以下の要領で約1mmの厚さまで薄くしました。

※薄くする方法は「レザークラフト技法事典 虎の巻」という書籍の「段スキ」の方法という部分を見ながらおこないました。

 

1.薄くしない部分と薄くする部分の境目を彫刻刀の一種の三角刀で溝を掘ります。

ウラへ折り返す部分の境界を三角刀で溝を掘る

※ちなみに失敗談として、彫刻刀の一種の印刀を革に垂直に立てて筋をつけようとしたら、表面まで貫通してしまい、やり直すことになりました。

 

2.革をガラス版の上において、別たちを斜めに革に入れて徐々に薄く削いでいきました。

「別たちだと刃の幅が広くて革の端のほうは表面まで削ってしまいそうでやりにくいなぁ。こういうときにもう少し刃の幅が短い革包丁があれば楽なんだろうな。でもお値段がなぁ~買うか迷うな~」と思いました。

革のヘリ部分を別たちを使って薄くなるまでそぎ落とす
 
※切れ味が鈍ったら、革砥(かわと)をつかって切れ味をもどしました。
※革砥については、以下の記事で紹介しています。
ユキ

関連記事>>>革砥の購入体験談

 

7.滑り止めを接着

本体の裏側に接着剤(サイビノール100)を使って滑り止めシートを貼りました。

マウスパットの裏側に滑り止めシートを接着する

8.手首置きパーツをつくる

スポンジをカットして、手首置きパーツに接着しました。

この手首置きパーツは、本体を縫った後に本体を包む込み形で合体させます。

マウスパットの手首クッションパーツをつくる

 

9.へり返し

先ほど薄くした端部分(ヘリ)を折り返して、滑り止めシートを包み込む形で接着剤で固定しました。

※コーナー部分は後で処理するので、このときは接着しないで残しておきます。

革の端部分を折り返すへり返し

10.縫う

コーナーと手首置き部分以外を縫っていきます。

マウスパットを縫う

※写真に写っている目玉クリップは両手で作業するために針を置く磁石をつけてあります。詳細は以下の記事で紹介しています。

 

 

11.コーナー部分の折り返し(菊寄せ)

コーナー部分の端を折り返す方法のひとつである「菊寄せ」技法に挑戦しました。この技法はヒダをつくってギャザー状にするもので、熟練の技が必要らしいです。

本体を包み込んで固定する手首置きパーツのコーナー部分で菊寄せ技法を行いました。

まず、コーナー部分を残してその両端を接着剤で固定します。

コーナー部分の両端を接着する

 

次に、コーナー部分に接着剤を塗ります。

革のコーナー部分に接着剤を塗る

 

そして、数本の針を磁石で固定しながらヒダを作ります。微妙なヒダの調整は目打ちで行いました。

ヒダが整ったら針を抜いて、上から押さえたあと糸でコーナーを縫いました。

コーナー部分のヒダをおりかえす菊寄せを施す

「ネット上で多くのサイトが紹介しているように、ヒダをひとつひとつ順番につくる方法でやろうとしたけど、うまく出来ないよ~やはり熟練の技が必要なのね。」

でも菊寄せでコーナー処理したいから、いい方法がないか考えてみました。そこで、

「針で固定しながらヒダを作ったらうまく出来るんじゃないだろうか?」とおもいついたのでやってみました。

 

使用してみての感想

実際につかってみると、
 ○マウスを動かすときにマウスパットが机から動かなくて快適。
 
○革製のマウスパットの上でマウスを動かしても、ひっかかることはなく問題なくポインタが動く。
 
○手首置きの縫い糸のあとが手首に付くのが誤算だった。
 
いろいろ反省点はあるけど、作ってよかったです。
 
 
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
 

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