革包丁を研いだら切れなくなった原因を考える

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ココ

アッ、研いだら以前より切れなくなってしまっている。ショックだわ。

ユキ

落ち着いて、切れなくなった原因を考えて、次に活かせばいいのよ。


こんにちは。みどりです。
今回は、革包丁を研いだら、残念ながら切れなくなってしまった経験を記事にしました。
今回のわたしの失敗が読者の参考になれば幸いです。

「がんばって研いだのに、切れなくなった。切れなくなった。切れなくなった。・・・悲しいな。」
 
 
 

研いだ後の状態

革の端を削ぐときに、抵抗なくスパ~と削ぐことができる状態を目指しました。
 
が、残念ながら以下のような状態になってしましまいました。
 

状態1:刃先の角度

研ぎ初めの角度が30度くらいの革包丁を角度20度を目指して研ぎました。
 
研ぐ前
 
 
研いだ結果、角度10度くらいになっていました。
 
「あれ、想定以上に薄くなってる???」
研いだ後
 
 
ちなみに、今回研いだ革包丁は週刊誌「はじめのてレザークラフト」の付録の革包丁を研ぎました。
 

購入直後のレビューは以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

 

状態2:外観

刃裏側からみて、革包丁の右端が他の部分より削れてしまっていた。
 
「あれ、一部分だけ多めに削れている???」
欠けた
 

状態3:切れ味

革を削ごうとすると、この短くなった部分が革に食い込んでくれないので、削ぐことが出来ない。
 
「!!!、切れない。笑えるほど、なまくらになってしまっている。」
切れない
 

失敗の原因考察

みごとに失敗したので、次に活かすために今回の原因を考えました。
 

勉強不足

原因の一番はやはり、研ぎに対する勉強不足ですね。
 
ネット上で紹介されている研ぎ方を真似てやってみたのですが、
 
そもそも、どうして研いだら切れるようになるのかという
 
研ぎの本質がわかってないことが失敗のおおきな原因だとおもいます。

 

トゲールの装着位置

今回研ぐ際に、刃先の角度を固定するために、
 
料理用包丁研ぎの補助具である「トゲール」の背をくりぬいて利用しています。

加工

 

このトゲールの装着位置を割り出す計算方法がまちがっていました。
 
刃先の角度20度になるために、下の図のように三角比(タンジェント)を用いて計算したところ、
 
刃先から44mmの位置にトゲールを取り付けました
 

間違ったトゲールの装着位置

しかし、よくよく考えると、三角比は直角三角形で使用するものなので、

正しくは下の図のように考えないとダメでした。

計算しなおすとトゲールの装着位置は刃先から約25mmの位置でした。

トゲール装着位置

正しい位置より2倍もはなれた位置に取り付けていたので、
 
想定より刃が寝てしまい、刃先が20度ではなく10度になってしまっていました。
 
次回は、刃先から25mmの位置にトゲールを取り付けたいと思います。

 

 

トゲールの加工方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

研ぐときの力のかけ方

研いでいるときの力のかけ方が良くわからなかったので、
 
奥に押し出すときに力をかけて研いでいました。
 
そうすると、今回一番削れていた刃裏から見て右端部分を一番砥石に押し付ける形になるので
 
他の部分より多く削れたのだと思います。
研いでいるときの力のかけかた
 
次回は手前に引くときに力をかけてみたいと思います。
 

砥石が水平でない

研ぎ終わって砥石を観察すると、下の図の赤枠で示したように、
 
砥石の真ん中ばかりがへこんでいました
 
ということは、水平でないところを前後に動かしていたことになるので、
 
動かすことで砥石にあたる刃先の角度も微妙に変わっていたと考えられます。
 
このことも切れなくなった原因かもしれないと思います。
1000番の砥石
 
3000番の砥石
 
次回は砥石が水平であることを確かめながら研ごうと思います。
 
 

切れなくなった研ぎ方

今回どんな研ぎ方をしたら失敗したのかを振り返ってみました。
 

砥石を購入

私は100円グッズの砥石(120番と320番の両面砥石)しかもっていなかったので、

ちゃんとした砥石が欲しいなと思ったので1000番と3000番の両面砥石を購入しました。

前準備

前準備としてまずは、革包丁にトゲールを装着します。

ただし、トゲールの装着位置は誤った計算で割り出した44mm位置で取り付けていました。

トゲールを装着
 
 
次に、砥石をバッドに入れて水道水に10分ほど浸しておきました。
砥石を水につける
 

1000番砥石で研磨

革包丁の斜めになっている面を1000番の面に斜めにあてて、
 
力を入れて奥へ押して、
 
力を抜いて手前に戻して
 
という操作を繰り返しました。
研いでいるときの力のかけかた
 
 
「おっ、刃先の斜めになっている部分が2段になってきた」
研いでいる最中
 
「なんか、刃先がギザギザしてきたけど、大丈夫かな?」
刃がボロボロ
 
 
刃先の段が1段になったら、裏返して
 
刃裏を数回砥石上で前後させました。
100番で研ぐ2
 
ここまで3時間くらい。
 

3000番砥石で研磨

革包丁と、砥石を洗ってから
 
革包丁の斜めになっている部分を3000番面に斜めにあてて、
 
力を入れて奥へ押して、
 
力を抜いて手前に戻して
 
という操作を繰り返しました。
 
3000ばん砥石
 
しばらくしたら裏返して、刃裏をとぎました。
3000番で研ぐ2
 
両面がなんとなく光ってきたら、
 
刃先に手をあてて、尖っていることを確認しました。
研いだ後
 
研ぎ完成!!
 
「でも、がんばったのに、切れなかった・・・」
 
 
反省を活かして次回がんばります。
 
 
 

次回に向けて

今回の反省を活かして次回は
○ 研ぎについての勉強をする
 
○ トゲールを装着位置を刃先から25mmの位置にする
 
○ 研ぐときに、手前に戻すときに力をかける
 
○ 砥石が水平状態であることを確認する
 
 
 
 
 
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
 
 
 
追記:今回の失敗の反省を活かして改めて革包丁を研ぎました。

その様子を以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

ユキ

 

その後、裏面を平らにすることが大事というアドバイスをもとに、裏面を研いだ時のことを記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

革包丁を研いだら切れなくなった原因を考える” に対して6件のコメントがあります。

  1. どーなん より:

    初めまして どーなんと申します
    レザークラフトを始めてもう少しで1年になります
    去年の2月にアシェットの「はじめてのレザークラフト」を購入
    2号まで購入しまして後は好き勝手思うまま 自己流でやっている 66歳の爺です
    ブログ村で貴方様のブログを見つけまして お邪魔しました
    色々と勉強の為今後お邪魔させてください 宜しくお願い致します。

    革包丁は使っておりませんが釣りをして魚を捌くのに日頃から包丁を研いでいます
    そこで厚かましくも一言お伝えしたいのですが
    気を悪くなさらないでくださいませ
    包丁を研ぐときは基本的に力を入れず前に出し 引くときに力を入れます
    砥石の表面は細かいザラザラな訳ですから
    それに刃がぶつかれば砥石を切るような事になってしまい
    鋸の様にギザギザになります。

    私は約1年の間に六十数作品を作りましたが
    「これは間違っている」とかあると思いますので
    ツッコミを入れてください 宜しくお願い致します。

    1. みどり より:

      どーなんさん、コメントありがとうございます。
      やはり今回の研ぎ方で包丁を動かすときに、刃を砥石にぶつけるような形で力を入れていたので
      刃がギザギザになったようですね。
      ご指摘をありがとうございます。

      それにしても1年で60数作品とは、すごい量ですね。
      触発されて、わたしもがんばっていこうと思います。

  2. どーなん より:

    昨夜初コメントしましたどーなんです
    嫌われようがどうなろうがかまわないのでまたコメントしました(笑)
    みどりさんの革包丁は現在最悪の状態です
    先ず一発目の研ぎで刃こぼれを起こしてかなりのダメージを受けています
    アシェットさんの最初の道具はナマクラです(ちょっと言い過ぎ)
    ナマクラの意味は刃物は硬度が命ですが硬度が低い物をナマクラと言います
    鉄の強度を上げるには 焼いては叩いて急速に冷やすを繰り返して硬くするわけです
    高価な刃物ほどこの工程に時間を掛けます(もちろん鉄は質の高い物を使います)
    どうしても付録に付ける物は金額的に限界があるので硬度はそこそこのものつまりナマクラに近いものなんです
    これを研ぐには 最初から3000番で優しく 引くときだけに力を少し入れて軽く戻すを繰り返し
    ほんの数分こすってみます 刃のどの部分の艶が変わってくるかで本来の刃の角度が解るわけです
    計算で出すより自分の目で確かめて確認してください
    刃先の艶が少しずつ変わってくれば成功です
    それと角度が2度は少し鈍角のような気がします もっと鋭角の方が切れ味が良い良いような気が
    砥石は使い込むと当然真ん中がへこんできますので水平など考えなくて良いです
    殆ど影響はありません

    これから包丁を修復するには
    刃先のギザギザが全くなくなるまで20度以下の鋭角で研ぐしかありません
    左右均等に力を入れてムラが無いように
    片刃包丁ですのでウラ面はベッタリ砥石に付けて全面に艶が出る程度でオーケーです

    うっとうしがられるのを覚悟で書きました
    これにて失礼致します。ゴメンナサイ。

    1. みどり より:

      どーなんさん、研ぎに対する詳しいアドバイスをありがとうございます。
      アシェットさんのこの革包丁の場合は最初から3000番の砥石で研いでいいんですね。
      まだまだ刃物に詳しくないのでとても参考になります。

      研ぐときは包丁の艶を見ながら研ぐといんですね。やってみます。
      今後、今回の刃こぼれした包丁をアドバイスに従って艶をみながら修復していきたいと思います。

  3. どーなん より:

    刃が錆びたりしてぼろぼろになった物や刃こぼれを起こした物を再生させるときは
    粗いもので刃先をまっすぐに形を整えてから目の細かい物3000番にしますが
    はじめからチャンと切れていた包丁ですので
    刃先が丸くなって切れ味が悪くなっただけですから3000番で数分研ぐだけで良かったのではと思います
    しかし今回刃先は相当荒れてしまいましたので100番からやらなければいけないのかも知れません
    刃先をルーペで見て刃こぼれのギザギザがなければ3000番で良いと思います

    作品楽しく拝見しております。

    1. みどり より:

      どーなんさん、アドバイスありがとうございます。
      刃先がボロボロだったので、手持ちの300番くらいの砥石で研いでみました。
      取り合えず刃先がまっすぐになったので、今度はより細かい砥石で研いでいこうと思います。

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