拝み合わせ縫いで革製チョコレートケースを作る ~型紙付き~
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目次
チョコレートをオシャレに持ち運びたい
資格試験のときに息抜きにチョコレートを食べるのだけど、お菓子を机の上に置くことに抵抗があるの
革製のケースに入れたらオシャレに見えるのではないかしら?
さっそく、作ろうぜ!
こんにちは。みどりです。
今回は明治㈱から発売されているブラックチョコレートのためのケースを作りました。
作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。
これが完成品です。
チョコレートを箱ごと入れて、持ち運べます。
「このチョコレートは、資格試験や講習のときにチョット食べるのにちょうどいいね。」
「ただ、お菓子を机の上に置くのって、子供っぽいかなぁって思っていたので、これを作ることにしたの。」
制作意図
以下の機能を持つように作りました。
○箱ごと収納できる
「明治のこのチョコの箱は、チョコの取出しが楽なので、この機能はそのまま活かしたいな。」
○見た目がオシャレである
「せっかく革で作るのだから、オシャレなものにしたいな。」
また、レザークラフトの技法の試みとして、以下のことも試みました。
○拝み合わせ縫いでケースをつくる
「せっかく手縫いで作るなら、ミシンでは作れない拝み合わせ縫いで作品を作りたいな。」
反省
実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
○ふたの開閉部分を差込錠にしたら、金具の厚さ分内側が少し狭くなって、チョコレートがいれずらくなった。バネホックにすればよかったかも。
○組み立てるときに、初めに底部から縫う順番にしたらうまくいった。
「以前に拝み合わせ縫いでケースを作ったときの反省として、底部を最後に縫いつけようとしたら難しかったので、今回は底部から縫い付けることにしました。」
そのときの反省は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>自転車用ライトの革製ケースの作り方 ~拝み合わせ縫い~
製作過程
はじめにレザークラフト用の型紙をつくります。
構造の説明
今回作ったチョコレート用ケースの構造をイラストを用いて説明します。
以下の5つのパーツで出来ています。
①箱を取り出すときに下から押しだせるように下部に窓を開けた前面パーツ、
②上部を折り曲げてフタにする背面パーツ
③④直方体にするための側面パーツ2個
⑤底面パーツ
型紙つくり
型紙はお絵かきソフトのGIMPでつくっています。
今回は厚さ2mmの革用に型紙を設計しました。
型紙を一から作るので、革で製作する前に紙で組み立ててみて、型紙を修正していきます。
パーツ製作
それでは、レザークラフトでケースを作っていきます。
革の準備
裁断前の革の裏面にトコノールを塗ります
型紙の転写と裁断
まず、作った型紙をコピー用紙に印刷して切り出し、
それを2mmの厚さの革の上におきます。
型紙の輪郭を目打ちでなぞることで、革に傷を付けます。
型紙の転写方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>楽に型紙を革に転写するレザークラフトの方法
型紙に記した縫い穴の位置も目打ちで刺すことで革に写します。
革に転写した縫い穴の位置を菱キリで刺して、縫い穴をあけます。
菱キリを用いた穴のあけ方は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>【レザークラフト騒音対策】菱キリを用いた縫い穴のあけ方
転写した型紙に沿って、革を裁断します。
「正面パーツ下部の曲線は一度に切るのは難しかったので、少しずつ切り落としていきました。」
コバを整える
パーツを組み立てる前に、
取り出し口部分と窓の部分は組み立てたあとではコバを磨きづらくなるので、
この段階でコバを磨いてスベスベにします。
エタノールを塗って、乾いたら、スポンジやすりで削ります。これを繰り返します。
「コバの磨き方は人それぞれだけど、私はエタノールとトコノールを使っているよ。」
満足な手触りになったら、トコノールを縫って磨きます。
コバ磨きの方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
関連記事>>>重ね合わせた革のコバ磨きの方法 ~3種類の接着剤で比較~
拝み合わせ縫いの準備
拝み合わせを行うための前準備を行います。
拝み合わせ縫いの縫い方は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
※初めて拝み合わせ縫いをしたときの様子を記事にしています。興味のある方はどうぞ。(恥ずかしい出来栄えです。)
「初めて拝み合わせ縫いをしたときは、うまく45度にカットできなくて、ぶっさいくな仕上がりになったな。」
まずは、端を45度にカットするための準備として、
革の端から厚さと同じ長さの位置に線を引きます。
「線を引く位置は、いままでだと定規を使っていたけど、モデラ(線引き)を使ったら、一発で革の厚さと同じ距離の位置に線が引けたわ。」
「でも、モデラってそのための道具だったね。普段使わないけど、やっぱりあると便利だわ。」
革の厚さと同じ幅で革の端から線を引きます。
上記で引いた線を目印にして、革の端を45度にカットします。
これを、拝み合わせ縫いを行うすべての片でおこないます。
縫う順番は、最初に底面に側面4辺を縫い付けます。
45度にカットした面同士を張り合わせるために、貼り合わせる革をマスキングテープで固定します。
裏返して、貼り合わせる面に接着剤(サイビノール100)を塗ります。
片側を起こして、カット面同士を接着します。
他の3辺も同様の操作を行います。
組み立て ~前半~
接着剤が乾いたら、マスキングテープを少しずつはがしながら、
糸を曲がり針につけて縫っていきます。
底面に側面パーツを縫い付け終わったら、
次は前面パーツと側面パーツに接着剤に塗ります。
接着剤が乾いたら、側面同士を縫います。
チョコの取り出し口をつくる
組立工程を一時中断して、フタの金具を取り付けます。
「1辺を縫ったこの段階なら、最終的な立体感が把握できるので、金具取り付け位置を決めやすいんだよね。」
「組み立てを一時中断してしまっては作業の勢いが削がれそうだけど、組み立て終わった後では金具を取り付けられないので、仕方ないね。」
今回は差込錠を取り付けます。
「差込錠とバネホックのどちらにするか迷ったけど、使いやすそうな差込錠にするわ」
まずは、オスパーツの取り付け作業を行います。
オスパーツを背面パーツのフタの位置に差し込んで取り付け位置を決めます。
決めた位置に目打ちで刺して目印をつけます。
まずは、取り付け位置に3mmのポンチで穴をあけます。
カシメ足の長さより革が薄かったので、補強用の革の小片も作っておきます。
次に、ポンチの穴が一致するように背面パーツと補強用小片をサイビノールで接着します。
そして、ポンチの穴に差込錠の穴が一致するように挟み、カシメで軽く仮留めをします
準備が出来たら、カシメ用の打ち具を用いてカシメを叩いて、しっかりと差込錠を固定します。
金具をとりつけたら次は、
フタ部分は折り曲げてつかうために曲げ癖をつけます。
まずは、折り曲げる部分に水を塗ります。
そして、折り曲げて乾くまで待ちます。
「とりあえず目打ちに巻き付けて固定したよ。」
曲げ癖がついたら次は、
メスパーツを取り付け作業を行います。
先ほどフタに取り付けたオスパーツにメスパーツを装着させた状態でフタを折り曲げながら、
メスパーツの取り付け位置を決めます。
革にメスパーツの足を押し付けて跡をつけて目印とします。
目印の位置にデザインナイフで切れ込みを入れます。
切れ込みにメスパーツの足を刺します。
内側に足がでたら付属の台座金具を挟んで、ペンチを用いて足を折ります
金具の取り付け完了です。
組み立てる ~後半~
側面を縫う工程を再開します。
まずは、さきほど正面パーツに縫い付けた側面パーツに背面パーツを縫い付けます。
途中で接着面がはがれてしまったら、再度接着剤を塗ります
次は、反対の側面パーツを正面パーツに縫い付けます。
最後に残った辺を縫い付けます。
これで、組み立て完了です。
チョコレートを収納
チョコレートを入れて完成です。
ここで、ちょっとした問題が発覚しました。
「!、なんか箱を入れにくいかも。あっ、差込錠の金具が内側をすこし狭くしているな。でもまぁ、収納できたから、いいか。」
「できたー。これで心置きなくチョコレートが食べられるわ~。」
使用してみての感想
実際につかってみると、
○ 他人からはチョコレートが入っているようには見えないから、気兼ねなく机の上におけた。
○ 他人からはチョコレートが入っているようには見えないから、気兼ねなく机の上におけた。
○ ちょっと、箱の出し入れがしずらい。
いろいろ反省点はあるけど、作ってよかったです。
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
型紙公開
興味のある方のために型紙を無料で公開します。
ただし、注意点として以下の事項を守ってください。
・個人の方が趣味の範囲で使用してください。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
・型紙に5cmの縮尺を掲載してありますので、印刷後に縮尺が正しいかを確認してからご使用ください。