汚れ対策をした革製ペンケースの作り方~型紙付き~

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ココ

うっかりボールペンの芯を出した状態で入れてしまうことがあるけど、中の革がインクで汚れてしまうのは嫌だわ。

ユキ

じゃあ、汚れたときに中が洗えるように布パーツを入れたおしゃれな三角ペンケースにしようよ。


こんにちは。みどりです。
今回のレザークラフトでは、内部に脱着式の布パーツをいれた革製三角ペンケースを作りました。

作ってみての反省点を記事にすることで、参考になれば幸いです。

 

これが完成品です。
 
外側はファスナーをあけるとガバっと口が開けられるようにしました。
 
中側はボールペンのインクがついて汚れてしまった場合に
洗えるように布製パーツをスナップボタンで取り外せるように設計しました。
 
ついでに定規や付箋などの小物を
ペンと分けられるように内部には中仕切りをつけました
 
「わぉ、欲望がふくらんだ結果、制作難易度が跳ね上がってたね。」
レザーペンケース
 
 
ファスナーを閉めるとスリムな三角形になります。
ちなみに、スナップボタンは外側から見えないように取り付けてあります。
 
また、カジュアルな感じにしたかったので、側面部とマチ部は厚さ1mmの柔らかい革を使いました。
 
ただ、強度は保ちたかったので、底部とファスナーの補強部には厚さ1.5mmの固い革を使いました。
レザーペンケース 閉じた状態
 

制作意図

以下の機能を持つように作りました。
 
○ 汚れたときに取り外せるような内部にすること
 
○ 内部はペンと小物を分けられること
 
○ 取り出し口が大きく開くこと
 
○ 見た目がおしゃれであること
 
 
また、レザークラフトの技法の実践として、以下のことも試みました。
 
○ マチ部分は分割通しマチ技法でつくる
 
○ スナップボタンを取り付ける
 
○ ファスナーの長さ調整を行う
 

反省

実際に作ってみて、以下のような反省点がありました。
 
○ 全体バランスからして、ファスナーが飛び出しているように見える。
  「う~ん。ファスナーの長さは取り出し口を完全にひらくために必要な長さだから、これ以上は短くできないよ。」
  「ということは、全体バランスをよくするためには、本体の高さ自体を高くしたらいいのかな。」
 
○ ファスナーを閉めたときマチが外側に飛び出して閉まることがある。
  「マチ自体に必ず内側に向くような細工は施していないからかな、ステッチか折り目などの工夫が必要だなぁ。」
 
○ 内布パーツがすこし大きいようにみえる
  「あれ、ぴったりサイズで設計したはずんなんだけど。そうか、スナップボタンの厚さの分を考慮していないからか。」
 
○ スナップボタンを8個取り付けたが、上部の4個で十分用が足せそうである。
  「しっかり固定しようと思って、上下2個ずつ4か所の計8個にしたけど、下部の4個はなくても支障なさそうだな。」
 
 

前準備

型紙つくり

以下のようなA4サイズ5枚分の型紙をお絵かきソフトのGIMPで作りました。
 
記事の最後にPDFを保存できるボタンを設けていますので興味のある方はどうぞ。
型紙つくり

構造の説明

制作過程を紹介するまえに、今回の三角ペンケースの構造をイラストで簡単に説明します。
 
 
Ⅰ.内布パーツ
 布の四隅を縫って箱状にします。
 また、外側パーツに取り付けるために布の外側にスナップボタンを縫い付けます。 
 ※今回は定規や小物を分けるためのパーツも設置しました。
 
Ⅱ.外側パーツ
 外側パーツは革の種類を変えたいので1枚革ではなく、
 底部、側面部、マチ部と分けてあります。
 
① 底部
  側面部と合体させるようために端を折ってあります。
  また、内布パーツを取り付けるためにスナップボタンを縫い付けます。
 
② 側面部
  底部、マチ部、ファスナーと合体させます。
 
③ マチ部
  底部、側面部と合体させるために端を折ってあります。
 
④ ファスナーと補強部
  側面部にファスナーを縫い付けるときに、補強のために補強用の革を用意し、
  側面部と補強用革でファスナーを挟み込んで縫い付けます。
 

制作過程

それでは制作過程を紹介します。
 
 

内布パーツ製作

まずは、内側にいれる布パーツの制作の様子を紹介します。

布の切り出し

はじめに、A4サイズには収まらなくて二つに分かれた型紙を
”型紙のりしろ”部分にのりを塗って合体させます。
 
型紙をのりしろでつなぐ
 
 
合体させた型紙を布の上に置いて、ずれないようにマスキングテープで固定します。
 
そして、デザインナイフを型紙の輪郭に沿って動かし、型紙のとおりに布地を裁断します。
布を型紙通りに切断
 
ちなみに、布と表記していますが、
実際はポリエステルの生地を使っています。

布のほつれ防止

布の切断面は”ほつれ”を防止するために、
 
端を生地が3枚重なった状態である”三つ折り”状態にします
 
 
 
まず、型紙の目印に従って端から10mmまでを型紙ごと裏側に折り返します。
 
布と型紙ごとアイロンをかけることで折り目をしっかり付けます。
布を折る
 
 
次に、型紙をとりはずし、上記で折った端をさらに裏側に折り返します。
 
そして、その上からアイロンをあてて折り目をつけます。
布を三つ折りにする
 
 
2回折り返した状態の端部分をミシンで縫って三つ折り状態をキープします。
 
ただし、この段階でミシンで縫うのは、”取り出し口”になる箇所だけです。
 
ほかの部分は組み立てるときに縫います。
布を縫う
 

部品を取り付ける

はじめに、内布パーツの底部の位置がわかるように目印としてマスキングテープを貼ります。
 
 
 
その次に、テープを貼って、定規いれパーツの位置合わせを行います。
 
仮止めが終わったら、定規入れパーツの下側と横側を内布パーツにミシンを用いて縫い付けます。
定規入れポケットをつける
 
 
つづいて、小物入れパーツの位置合わせをします。
 
このとき、小物入れパーツは中央にヒダを内側に折ってから、テープで仮止めします。
小物ポケットをつける
 
 
仮止めしたら、小物入れパーツの下側を内布パーツに縫い付けます。
 
このとき、中央のヒダの下側も縫い付けます。
 
そして、小物入れパーツの端を内布パーツの端とぴったり合わせて縫います。
端を仮止めする
 
 
続いて、スナップボタンをとりつけます
 
取り付け位置をきめるには、
 
型紙の上に内布パーツの外側を天井にむけて置き、
 
その上にスナップボタンのメスを置きます。
 
そして、型紙の印のところをマチ針で刺してスナップボタンを仮固定します。
スナップボタンをつける
 
 
マチ針が抜けないように気を付けながら、型紙から布を持ち上げて、
 
スナップボタンを手で縫い付けます。
スナップボタンをつける
 

組み立てる

パーツを縫い付け終わったら、内布パーツの四隅を縫って、箱状に組み立てます。
 
 
四隅部分は、端同士を重ね合わせた状態で2回折り返します
 
まずは、端同士を接着剤(サイビノール100)で重ね合わせます。
角を縫い合わせる1
 
 
つぎに、重ね合わせた部分を1回折り返します。
角を7縫い合わせる2
 
 
つづいて、上記で折り返した部分の上に接着剤を塗ります。
角を縫い合わせる3
 
 
そして、さらに折り返します。これで2回折り返しました。
角を縫い合わせる4
 
 
最後にこの部分を手で縫います。
角を縫い合わせる5
 
 
四隅を縫い終わったら、箱状の内布パーツの完成です。
内部の布パーツ
 
「ふ~、ひと仕事終わったなぁ。レザークラフトなのにまだ革に触っていないけどね。」
 
 
 

外側パーツ製作

いよいよレザークラフトを始めます。
 
外側パーツを作っていきます。
 

革の切り出しと縫い穴開け

最初に革を切り出します。
 
革の上に型紙を置き、その上に磁石を置いて固定します。
 
デザインナイフを型紙の輪郭に沿って動かして革を切り出します
 
「普段は、革に輪郭線を転写した後で革包丁で切るけど、今回の革は柔らかいので、直接デザインナイフで切るよ。」
革に転写と切断
 
ちなみに、磁石を使った型紙の固定方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。
 
革を切り出し終わったら、つぎは縫い穴をあけます。
 
まずは、型紙につけた縫い穴の目印を目打ちでさして、縫い穴の位置を革に転写します。
縫い穴をあける
 
 
次に、転写した縫い穴の目印を今度は菱切りで刺して、平行四辺形の縫い穴をあけます
縫い穴をあける
 

縫い穴をあける方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

 

各パーツの下準備

革を切り出して、縫い穴を開け終わったら、各パーツの下準備を行います。
 
 
 
まずは、底部パーツの準備をします。
 
底部パーツのうち、側面パーツとの接合部分にあたる端は垂直に立つように折ります。
 
その部分を折るために、革の裏側に定規と目打ちを用いて目印として直線をつけます。
折り目をつける
 
 
目印の直線を彫刻刀の一種である三角刀で溝を掘ります。
折り目を掘る
 
溝に沿って、革を折ることができました。
底部を折る
 
 
 
次に、ファスナーの補強部分の準備を行います。
 
まずは、ファスナーに縫い付けた後では処理できないコバをこの段階で磨いておきます。
天マチをコバ磨き

 

 
つづいて、マチ部分の準備を行います。
 
マチパーツの3辺を谷折りにして目玉クリップで折り目ができるまで固定します。
側面を折る
 
ここまでで、各パーツが完成しました。
パーツ準備完了
 

スナップボタンをとりつける

つづいて、内布パーツを取り付けるためのスナップボタンを縫い付けます
 
 
まずは、底部の革のオモテ面にスナップボタンのオスを手で縫い付けます。
底部にスナップボタンをつける
 

革にスナップボタンをつける方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

 

そして、ファスナー補強部の革のオモテ面にもスナップボタンのオスを取り付けます。
スナップボタンのぬいつけ
 

底部と側面を合体させる

それではいよいよ、外側パーツを組み立てていきます。
 
 
まずは、底部と側面を合体させます。
 
側面パーツの端に接着剤を塗り、底面パーツの折った部分に貼り付けます。
 
貼りついたら、側面の長さの4倍の長さの糸で縫います。
底部と側面を貼り合わせる
 

ちなみに、綺麗な糸目になるように縫う方法は以下の記事にまとめましたので、興味のある方はあわせてどうぞ。

 
もう片方の側面も同様に縫い付けます。
底部と側面を縫う
 
これで側面パーツと底面パーツが合体しました。

マチをとりつける

つづいて、今度はマチを取り付けます。
 
まずは、片方の側面パーツの端に接着材を塗り、側面にマチパーツを貼り付けます
 
接着剤が乾いたら、糸で縫います。
 
※この時の糸の長さはマチの3辺の長さの4倍の長さをとります。
側面にマチをつける
 
 
マチの1辺を縫い付けたら、針をおいて一時縫うのを中断します。
 
今度は、底辺パーツの端に接着剤を塗り、マチパーツを貼り付けます。
 
接着剤が乾いたら、先ほど置いた針と糸を使って底面とマチを縫い付けます。
底部にマチを縫いつける
 
 
このとき、側面と底面との角の部分は、補強のために2重に縫っておきます。
角の処理
 
 
底面の端まで塗ったら、先ほどと同様に一時針を置きます。
 
そして、もう片方の側面パーツの端に接着剤を塗り、マチパーツと接着させます。
 
これまでと同様に接着剤が乾いたら、置いておいた針と糸を使って側面パーツとマチを縫い付けます。
側面にマチをつける2
 
これでマチパーツの取り付けの完成です。
 
 
 
今回のように、一枚革を折って作るのではなく、各パーツを合体させてマチをつくる技法を『分割通しマチ』技法と呼びます。
 
詳しい方法は「レザークラフト技法辞典Ⅱ 龍の巻」で解説されていて、この書籍を参考にしました。
※ただ、今回は教科書の方法から底マチの部分を少しアレンジしています。
 
 
以前に、教科書で紹介されている分割通しマチ技法で作品を作ったことがあるので、興味のある方はあわせてどうぞ。

ファスナーを取り付ける

最後にファスナーを取り付けます。
 
 
まずは、20cmファスナーを縫い付ける前に、目玉クリップで仮止めしてみて全体の様子を見てみました。
 
「!!!」
 
「なんかファスナーが短いかも? このまま取り付けたら、取り出し口が前回に開かなくなりそうだなぁ。」
ファスナーの位置合わせ
 
 
仕方がないので、30cmファスナーを仮止めしてみました。
 
「今度は長すぎだな。ファスナーの端がビロビロしてみっともなくなりそう。」
ファスナーの位置合わせ2
 
20cmだと短く、30cmだと長いので
 
手を休めて、近くの店にちょうどいい長さのファスナーを探しに行きました。
 
 
 
「!!!」
 
 
「無い。ちょうどいい長さのファスナーが見つからない!」
 
「う~ん、ついにアレにチャレンジしなくちゃいけないのかぁ。」
 
「アレは難しそうなので、うま~く避けてたんだけどなぁ。」
 
 
 
ファスナーのためにここまでの作業を台無しにして、初めから設計しなおすのは嫌だったので、
 
すごく気乗りはしなかったのですが、ファスナーの長さ調整にチャレンジすることにしました。
 
 
 
なにはともあれ、ファスナーの必要な長さを突き止めます
 
まずは、取り出し口が前回に開く位置で30cmファスナーを下側から仮止めしていきます。
ファスナーの長さ調整
 
 
ファスナーの上側まで仮止めしてときに、ペンケースから飛び出す部分が不要な部分なので
 
必要な長さのところにマスキングテープをつけて目印にしました。
ファスナーの長さ調整2
 
 
次に、ペンチを使ってファスナーの金属製の歯(務歯、ムシ)を壊して外します。
 
そして、ファスナーの上止めを移動させて必要な長さに調整しました
 
最後に、ファスナーの端を三角に折って接着剤で固定した後に不要な部分をハサミでカットしました。
ファスナーの長さ調整
 

ファスナーの長さ調整の方法は以下の記事にまとめる予定なので、興味のある方はしばしお待ちください。

 
 
 
 
 
ファスナーの長さ調整が完了したので、ファスナーをペンケースに取り付けます
 
側面パーツの上部に接着材を塗り、その上にファスナーを置きます。
ファスナーを側面に取り付ける
 
 
さらに、ファスナーの上に接着剤を塗り、
 
その上にスナップボタンを取り付けた補強部の革を置きます。
ファスナーを天マチでサンドする
 
 
接着剤が乾いたら、側面パーツ、ファスナー、そして補強部の革を併せて縫います。
 
端の部分ではマチが糸の進行方向を遮るので、
 
その部分のマチには目打ちで穴を開けて糸を通します。
ファスナーを縫う2
 
ファスナーを側面パーツの両側に縫い付けたら、ファスナーの取り付けの完了です。
 
 
 
最後に、ファスナーの端に四角形の革を取っ手(ファスナーエンド)として取り付けます
 
接着剤を塗った革の上にファスナーを置き、端を少し折ります。
ファスナーの端の処理1
 
折ったファスナーを接着剤を塗った同サイズの革で挟みます。
 
そして、四辺を糸で縫います。
ファスナーの端の処理2
 
ファスナーエンドを取り付けたら、外側パーツの完成です。
外側の完成
「ファスナーの長さも十分あるので、取り出し口をガバッと開けることができるよ。」

ペンケース完成

最後に、内側パーツと合体してペンケースの完成です。
 
ペンや定規などの文房具をいれた様子です。
内布と外側を合わせる
 
「いいね。ペンを探しやすいし、小物も定位置があってスッキリしてる。」
 
 
また、試しに化粧用品も入れてみたら、いい感じに収まりました。
 
どうやら化粧ポーチとしても使えそうです。
 
「ファンデーション等で汚れたら、内側パーツを取り外して洗えばいいしね。」
革製化粧ポーチ
 
 
 
いろいろ反省点はあるけど、作ってよかったです。
 
 
おしまい。最後まで読んでくれてありがとう。
 

型紙公開

 
興味のある方のために型紙を無料で公開します。
 
ただし、注意点として以下の事項を守ってください。
・個人の方が趣味の範囲で使用してください。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。
・型紙に5cmの縮尺を掲載してありますので、印刷後に縮尺が正しいかを確認してからご使用ください。 ま

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